猫と暮らす
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猫が「弱っているのを見せない」理由 異変のサインに気づくために大切なこと|獣医師解説
猫は体調が悪いときに、その様子を見せないことがあるようです。なぜ猫は弱っているのを隠そうとするのか、ねこのきもち獣医師相談室の山口みき先生が解説します。
猫が弱っているのを隠す理由は?
——猫は具合が悪くなっても、それを隠そうとすると聞いたことがあります。なぜ弱っていることを隠すのでしょうか?
山口先生:
「動物は食物連鎖の中で生きています。弱いものを強いものが食べて、命をつなぎます。また、縄張り争いにより、自分の縄張りを獲得します。
そのため、弱っている様子を相手が察すると襲われて命を落としたり、縄張りを奪われてしまう恐れがあります。
このようなリスクを回避するために、猫も自身の体調不良を表に出さないよう、隠す傾向があります。本能のようなものですね」
——猫のなかでも、とくにこんなコは弱っているのを隠しやすいというタイプはありますか?
山口先生:
「もともと人に慣れていないコや、野生生活をしていたコなど、人と距離を置いて生活していたコなどは、弱っているのを隠す傾向があるかもしれません」
弱っている愛猫のサインに気づけるようにするためには?
——愛猫が弱っていることに気づくために、飼い主さんはどのようなことに配慮して、普段から愛猫の様子を見る必要がありますか?
山口先生:
「日頃から愛猫の様子をよく観察することだと思います。弱っている背景には、何らかの病気が原因していることがうかがえます。
病気を患った際には、食欲、元気、排泄、活動量などに変化が見られることが多いです。
正常がわからないと、異常に気づくことはできませんので、普段の愛猫の食事の量や食べ方、排泄の量や回数、色などを日々観察してみましょう。
そのなかで何か気になることや変化があったら、獣医師に相談してみてください。また、定期的な健診を受けることが、気づきにつながるでしょう」
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・山口みき先生)
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
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