猫と暮らす
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猫が「ハンドクリーム」を舐めないほうがいい理由 獣医師が解説
この記事では、猫の飼い主さんがハンドクリームを使用する際の注意点について、ねこのきもち獣医師相談室の斉藤由実先生が解説します。
飼い主さんがハンドクリームを使うことの猫への影響は?
「ハンドクリームには、猫にとって有害な成分が含まれていることがあります。人が使うハンドクリームは基本的には安全性が確認されていますが、それはあくまでも人が使用する場合であり、猫が口から摂取する場合ではありません。
少量舐めた程度ではあまり影響がないかもしれませんが、毎日のように猫がハンドクリームを舐めていたら、影響が出る可能性があります。特に精油成分が使われているハンドクリームは、猫にとって有害となってしまう恐れがあります」
猫に精油成分がダメな理由は?
「猫の体は精油成分を分解できないためです。実際に精油成分により、猫に中毒症状が出た報告があります。具体的には…
- 唾液分泌やよだれの増加
- 中枢神経抑制
- 無気力
- 不全麻痺
- 運動失調
- 震え
- 昏睡
- 脱水
- 肝酵素の上昇
ただし、精油成分をどの程度舐めると症状が出るのかは不明なのと、舐めたから必ず症状が出るというわけではありません。そういったリスクが報告されていることを踏まえて、使用の際は十分に注意する必要があるでしょう」
「ハンドクリームには保存料、香料、ハイドロゾールなども含まれています。これらも、猫が口にすることに対しての安全性が確認されてはいません。なるべく口に入れさせないようにするほうが安心でしょう」
飼い主さんがハンドクリームを使う際の注意点は?
「ハンドクリームを塗った後は、なるべく猫に触らないようにしたほうが安全です。たとえば、猫の毛にハンドクリームがついてしまうと、毛づくろいの際に舐めとってしまう可能性があります。また、飼い主さんがハンドクリームを塗ったところを舐められないようにも注意しましょう。
ハンドクリームの代替品として、たとえば馬油やワセリン、オリーブオイルを使う人もいると思いますが、これらであれば猫が舐めても大丈夫です。
最近では、100%食品由来成分や天然成分で作られているハンドクリームもあり、猫が舐めても大丈夫だという商品もあります。ぜひそういったものを探してみてください」
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
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