フードをなかなか食べてくれない、食欲が旺盛すぎる、体調を崩してしまうなど、猫のフードにまつわるさまざまな悩み。今回は高円寺アニマルクリニック院長の高崎一哉先生監修のもと、3つのお悩み別にフードを与える際のポイントを解説します。
小食でフードを残す猫の場合
猫は本来、自分のペースで少しずつ食べる動物なので、与えたフードをすぐに食べず残していても、それだけで小食と断定することはできません。
愛猫が本当に小食なのかどうかは、体重の増減で確認を。体重が減っていなければ栄養は足りているので、そこまで心配しなくてもよいでしょう。
ただ、食べることは猫の幸福感につながるので、フードは愛猫が「おいしい」と感じるものを与えてあげたいもの。猫の好みに合うフードを探して、替えてみるのもいいでしょう。また、1日分を少量ずつ小分けにして与えたり、少し温めて風味を出したりするのもおすすめです。
フードを替えるときのコツ
猫にとっては食べ慣れているフードが一番安心できるので、フードを替える必要があるときは、少しずつ替えていくことが大切です。まずは食べ慣れたフードに1割程度新しいフードを混ぜて、様子を見てください。その後徐々に新しいフードの割合を増やしていくようにしましょう。
食欲旺盛で肥満気味な猫の場合
食欲旺盛で肥満気味な猫に与えるフードは、同量あたりのカロリーが低く、満足感の得やすいものを選ぶのがおすすめ。
また遊びやスキンシップなど食事以外の面でも満足感を高めてあげると、食欲が落ち着くことも多いです。
なお、糖尿病など病気によって食欲が増しているケースもあるため、愛猫の食欲増進が心配な場合は早めに動物病院を受診してください。
体重管理をするときのコツ
肥満気味の猫の体重を管理するためには、まずは獣医師と相談して目標体重を設定することが大切。急激に食事の量を減らしてしまうと、猫の体は本能的にエネルギーを温存しようとしてカロリーを消費しなくなることがあるため、少しずつ量を減らしていくのがよいでしょう。数か月かけて徐々に体重を管理していってくださいね。
フードで体調を崩す場合
成分や粒の大きさ・硬さ・形状は、フードによって異なります。猫がフードを食べたあとに吐いたり下痢をしたりするようなら、このいずれかが猫の体質と相性が悪いおそれが。
頻繁に体調不良が見られるようなら、獣医師と相談のうえ、いくつかタイプの違うフードを試し、愛猫と相性のよいものを見つけましょう。
ただし、フードの種類を替えた直後は胃腸が慣れておらず下痢をしやすいため、短期間で頻繁に替えるのは避けて。
猫のフードを見直す場合は、切り替え方に注意しながら対応していくことが大切。現在はさまざまな猫の状況に対応できるフードも販売されています。今回紹介した内容も参考に、愛猫の悩みに合ったフードの種類や与え方を見つけてみてはいかがでしょうか。
お話を伺った先生/高崎一哉先生(高円寺アニマルクリニック院長)
参考/「ねこのきもち」2018年5月号『飼い主さんのお悩み&猫のタイプ別 たどりついたのはコレ! フードストーリー わが家の場合』
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。