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猫に「生魚」を与えるときの注意点は? 種類によっては危険なものも|獣医師解説
猫に生魚を与える際の注意点などについて、ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生が解説します。
猫に生魚を与えても大丈夫?
「魚の種類によっては与えてもよいですが、量が多すぎると健康に影響が出る場合があります。生の魚介類・甲殻類にはチアミナーゼが含まれ、一度にたくさん食べてしまうとチアミン欠乏による神経症状が出る可能性があるので、注意が必要です。
生魚を与える場合は、あくまで『おやつ』として少量に留め、主食はバランスの取れた総合栄養食を選びましょう。たとえば、サケ、カンパチ、マグロ、タイなどは、少量であれば生で与えてよいとされています」
猫が生のまま食べると危険な魚は?
「イワシ、アジ、サバなどの青魚やその加工品を、日常的にたくさん与えるのは危険です。青魚に多く含まれるDHA、EPAなどの不飽和脂肪酸は、一般的には身体に良い影響を与える成分ですが、過剰に摂取すると体内で酸化し、黄色脂肪症(イエローファット)を引き起こす要因となります。炎症を起こした脂肪は硬化し、痛みや発熱、食欲不振につながることがあります。
また、青魚に寄生しやすいアニサキスの幼虫は、猫にも害がある恐れがあります。アニサキスの幼虫は温める程度では死滅しないので、与える場合は十分に加熱をし、細かく刻んで与えましょう」
猫が生魚を食べて体調を崩す事例は?
「よく見られる症状としては消化不良で、下痢や嘔吐になる猫が多いです。普段から生魚を食べ慣れていないうえに、生魚はキャットフードよりも消化に時間がかかるため、消化不良になる場合があります。
ほとんどは内服薬で改善しますが、量を多く与えている場合は症状が激しく出ることも。この場合、注射や点滴の処置が必要になることもあります。
また、実際に診察した猫の事例でいうと、マグロの刺し身は大丈夫なのに、サーモンを与えると必ず吐くという猫がいました。おそらくそのコは、サーモンにアレルギーを持っているのだと思います。
一般的には大丈夫だと言われている食材でも、体質に合わないこともありますので注意が必要です」
猫に生魚を与える際に、飼い主さんが注意すべきことは?
「猫に生魚のみを与えて、体に必要な栄養をすべて取ることは難しいです。与える場合は、おやつやご褒美程度に少量を与えるようにしましょう。
先述したようなサケ、カンパチ、マグロ、タイなどを、普段与えている総合栄養食のキャットフードにトッピングしてあげるなど、与え方には工夫をしてみてください。
もし生魚を食べて猫に異変が見られたら、動物病院を受診しましょう」
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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