猫のフードの与え方には、「置き餌派」と「時間を決めてその都度出す派」に大きく分かれると思います。
この記事では、「置き餌」と「時間を決めてその都度フードを出す与え方」のそれぞれのメリットや、置き餌派の飼い主さんが注意したいポイントについて、ねこのきもち獣医師相談室の丸山知美先生が解説します。
「置き餌」と「時間を決めてその都度フードを出す与え方」の特徴
まずは、「置き餌」と「時間を決めてその都度フードを出す与え方」の特徴について見ていきましょう。それぞれの与え方に向いている猫のタイプがあります。
置き餌について
猫は本来、少量を回数多く食べるものです。可能であれは、1日のフードの量を少量ずつ何度かに分けて与えるのがいいですが、人間と暮らしている都合上そうもいきません。
置き餌は、一度に多く食べられない食が細い猫や、体が大きくてエネルギーが多く必要な猫には向いている与え方といえるでしょう。
時間を決めてその都度フードを出す方法について
置き餌ではなく、フードを少量ずつ分けて与える方法は、時間、量、回数を決めて与えることで、猫が食べ過ぎて太るのを防ぐことができます。肥満気味の猫は、その都度出してあげるほうがいいと思います。
食事の時間や回数は飼い主さんの都合もあるので、たとえば1日朝夜の2回だったのを、朝夕夜の3回にするなど、できる範囲で工夫をしましょう。
決まった時間にフードを与えると、健康チェックもできる!
毎日決まった時間に猫にフードを与えることで、食べる量や様子、排せつの時間・量がある程度一定になります。その結果、猫の少しの変化でも「いつもと違う」といち早く気づくことができ、健康チェックがしやすくなるのも、フードを分けて与える方法のメリットといえるでしょう。
置き餌派の飼い主さんが注意したい3つのこと
上記のとおり、置き餌が向いている猫もいるので、その方法が悪いわけではないのですが、置き餌をする際に注意したいことがいくつかあります。
①1日に食べるフードの量を予め決めて、食べ残しはその日のうちに捨てる
置き餌で注意してほしいのは、1日の分量はしっかり決めてフードボウルに出し、食べ残しがあったら、その日のうちに捨てることです。そうしないと、飼い主さんの側で愛猫がどれだけフードを食べたのか、分量の管理ができません。
また、ウェットフードのほうが鮮度が落ちるスピードが速いので、置き餌をする場合はドライフードにしてください。
②食べ残しの上からフードを足すのはNG!
飼い主さんのなかには「ドライフードだから大丈夫だろう」と、食べ残しの上からフードを足す人がいるようですが、これはNGです。空気に触れればフードが酸化して傷みますし、給与量もきちんと把握できなくなるので注意が必要です。
酸化したフードを食べ続けると、血液検査で肝臓の数値が上昇するというデータもあります。可能性は低いかもしれませんが、残ったフードに新しいフードを足し続けたら、下のほうのフードはお皿に出してから何週間もたっている…なんていう危険性もあるかもしれません。
③フードの食器は毎回洗う
これは当然のことですが、置き餌であっても食器は毎回きれいに洗ってください。
以上のポイントを飼い主さんが気をつけられるのであれば、置き餌でも問題ないでしょう。
置き餌でも、飼い主さんが工夫をすることが大切に
多頭飼いではなく1匹だけの飼育の場合、トータルで見て1日のフード摂取量が安定しているのであれば、それは置き餌としては許せる範囲だと思います。1日に食べる量をしっかり把握できるように、置き餌も工夫をしてみてください。
飼い主さんの生活リズムも大切なので、「置き餌も絶対にダメ」と思わず、1日や半日のリズムで調整してみるようにしてみましょう。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・丸山知美先生)
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
編集/ねこのきもちWeb編集室