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強烈なニオイがする猫の「肛門腺」 溜めたまま放置するリスクとは

猫の飼い主さんであれば、「肛門腺」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。「定期的に肛門腺を絞ってあげないと…」という話も聞くかもしれませんが、そもそも肛門腺とはなんなのか知っていますか?

今回は猫の肛門腺について、ねこのきもち獣医師相談室の白山さとこ先生にいろいろと質問してみました!

猫の肛門腺とは?

猫の肛門腺
画像/「ねこのきもち」2018年8月号
ーー猫の「肛門腺」とはなんですか?
白山先生:
「肛門腺とは、猫の肛門の左右にある袋状の腺のこと。肛門嚢ともいいます。これは『においぶくろ』のようなもので、この袋の中に強いニオイの分泌液(肛門腺液)が溜まっています。スカンクがおしりから出すクサイものをイメージすると、わかりやすいかもしれませんね」
ーークサイ液が溜まっているんですね。よく「肛門腺を絞る」という言葉を聞くのですが、どの猫も絞ってあげたほうがいいのでしょうか?
白山先生:
「肛門腺液はウンチのときなどに自然に排出されるものなので、基本的に絞る必要はないです。ただ、運動不足や水分不足、高齢の猫などは分泌物がかたくなり排出しにくくなることがあるので、その場合は絞ってあげる必要がでてきます」

肛門腺液が溜まっているときに猫が見せるサイン

見つめる猫
getty
ーー肛門腺の分泌液が溜まっているとき、猫はどんなしぐさを見せることがありますか?
白山先生:
「たとえば、おしりを床にこすりながら歩く『おしり歩き』をしていたり、おしりを気にして舐めているような素振りを見せたら、肛門腺が溜まっている可能性がありますね」
ーー肛門腺はどのようなケアをしてあげたらいいでしょうか? 絞るといっても、なかなか自分でやるのも難しいようなイメージがありますよね……。
白山先生:
「肛門腺絞りを嫌がる猫もいるので、病院を受診して対応してもらうようにしましょう。もし家で肛門腺絞りをやるようであれば、頻度やコツを獣医師に教えてもらってください」

肛門腺液が溜まってしまうことのリスクとは?

遊ぶ猫
getty
ーー肛門腺液が溜まりすぎると、どのような影響が出てきますか?
白山先生:
「肛門腺液が溜まっているのに放置しすぎてしまうと、化膿して皮膚がやぶけて膿がでるようになることもあります。状況によっては、肛門嚢をとる手術が必要なこともあるので、定期的に獣医師に診てもらうようにすると安心です」
飼い主さんに撫でられる猫
getty
おしり歩きをしたり、おしりを舐めたり…そんなしぐさが見られたら、肛門腺液が溜まっている可能性があるようですね。そのほか、肛門嚢に炎症があったり、肛門周囲に皮膚炎があったり寄生虫卵が付着している可能性も考えられるそうなので、頻繁に見られるようなら動物病院を受診するようにしましょう。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・白山さとこ先生)
取材・文/sorami
編集/ねこのきもちWeb編集室​
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