さまざまな野菜・果物や魚が旬を迎える夏。普段は専用のキャットフードを与えている飼い主さんも、新鮮な旬の食材が手に入ったら、愛猫と楽しみたいと思うことがあるかもしれません。
6月が旬の食べ物を猫に与えても大丈夫か、ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に教えていただきました。
【野菜】ネギと同類の“あの食材”に要注意!
とうもろこし → ○
不足しがちなミネラルやビタミンも含まれているとうもろこしですが、薄皮はのどに詰まってしまうおそれがあります。細かく刻むか薄皮ごとすりつぶして、猫が消化しやすいようしっかりと加熱処理してから与えましょう。穀類アレルギーがある猫は食べることができません。
ニラ → ×
ニラは、猫に与えてはいけない食材の代表例であるネギと同じヒガンバナ科ネギ属。タマネギ中毒を起こす成分が含まれており、加熱しても分解されないので、絶対に与えないようにしましょう。中毒成分は溶け出しますので一緒に調理したものも避けてください。
トマト → ○
トマトは、基本的には猫に与えても大丈夫な野菜ですが、与える際には注意点も。葉や茎、ヘタ、未成熟の青いトマトは「トマチン」と呼ばれる中毒物質の含有量が多いため、避けることが大事です。
きゅうり → ○
きゅうりのもつ栄養成分の中に、猫に有害になるものは含まれていません。与える際には体が冷えすぎないよう常温に戻し、消化器官を傷つけないよう厚めに皮をむくなどの工夫をするとよいでしょう。
いんげん → △
いんげんは食べすぎると腸内で過剰に発酵し、お腹を壊すおそれがあるので、胃腸の弱い猫には控えましょう。与える場合は消化をよくするために茹でたうえで、5mm程度に刻んで小さじ1杯程度を目安にしてください。
【魚】「猫なら魚は大丈夫」とイメージしがちでも、ダメなものもある!
生の青魚(あじ・いわし等) → ×
青魚に寄生しやすいアニサキスの感染を避けるため、与えるなら十分に加熱を。また青魚に多く含まれる「不飽和脂肪酸」は、元々健康維持のため適正量がキャットフードに含まれている事が多く、摂りすぎると黄色脂肪症の原因になるため、与える量・頻度はできる限り控えめにしましょう。
かんぱち → ○
たんぱく質が豊富なかんぱちは、少量ならば生で与えてもOKです。食中毒を予防するためにも必ず新鮮なものを与えましょう。刺身ひと切れの半分くらいが目安量です。
かつお → △
かつおは、エネルギーを生み出すナイアシンを多く含むので、月1回、刺身ひと切れの半分程度の少量ならば与えてもよいでしょう。与えすぎると黄色脂肪症につながるおそれがあるので気をつけましょう。
【果物】下痢やアレルギーなどの症状を引き起こしてしまうものも
さくらんぼ → △
食物繊維が豊富に含まれているさくらんぼは、食べすぎると下痢の原因になるので、普段から軟便になりがちな猫には控えましょう。与える際は、茎と種を除いて、1粒の半分程度の量にしましょう。
パイナップル → △
パイナップルは、食べると人と同じように、たんぱく質分解酵素の働きで舌がヒリヒリすることがあります。食後に猫が口元を気にするしぐさが見られたら、与えるのを控えましょう。与えるなら刻んで小さじ1杯程度に。
マンゴー → ×
マンゴーは、人でも猫でもアレルギーを起こしやすい果物。口内や唇にかゆみや炎症を起こす可能性があるので、与えないほうがいいでしょう。
メロン → ○
メロンはほとんどが水分なので、与えても問題ないでしょう。ただしカリウムが多く含まれているため、腎臓や心臓に疾患がある猫にはNG。刻んで大さじ1杯程度が目安量です。
人よりからだの小さい猫は、ほんの少量食べただけでも中毒症状を起こしてしまうことも。与えられる食材をしっかり見極めたうえで、愛猫と楽しいごはんタイムを共有できるといいですね。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
文/緒方るりこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。