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【獣医師監修】室内猫でも要注意!猫の寄生虫の原因や症状、治療方法

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飼い主さんも猫自身も気付かぬうちに、猫の体に忍び込む寄生虫。今回は、猫の寄生虫の種類や原因、症状、予防方法などをご紹介します。猫同士の接触がなくても、飼い主さんがノミなどを持ち込む可能性もあるので、室内飼いでも油断は禁物です!


目次

特に多い内部寄生虫「回虫」「条虫」

特に多い外部寄生虫「ノミ」「ダニ」

感染するとやっかいな内部寄生虫「フィラリア」「原虫類」

猫の寄生虫が人にうつることもあるの?

寄生虫の予防や対策について

特に多い内部寄生虫「回虫」「条虫」

内部寄生虫とは、猫の体内をすみかとする寄生虫のことです。そのなかでも、とくに感染率が高い「回虫」と「条虫」について解説します。

ノラ猫の半数以上が感染している「回虫」

「回虫」の特徴


猫には「猫回虫」(写真)と「犬小回虫」が寄生しますが、そのほとんどが「猫回虫」です。白くて細長いのが特徴で、成虫の長さは2~10cmほど。ノラ猫を対象とした調査で50~60%の猫から見つかったという、身近な寄生虫です。

どうやって感染するの?


感染ルートで多いのは、感染した母猫のお乳を飲むことです。母猫の体の中で回虫の幼虫の一部が血管に侵入し、幼虫が母乳にも入り込むため、それを飲んだ子猫に感染します。また、胎盤感染のほか、回虫の卵を口にしたり、感染したネズミを食べたりすることによってもうつります。

どんな症状で気づく?


回虫は猫の小腸にすみ着くため、猫が回虫を吐いたり、下痢をしたり、回虫がウンチと一緒に排泄されたりすることで気づきます。子猫の場合は、体重が減少することも。

治療法は?


回虫の卵はウンチに混じって排出されるため、便検査をおこない、回虫が見つかったら駆虫薬を投与します。

通称サナダムシともいわれる「条虫」

「条虫」の特徴


猫には「瓜実条虫」「猫条虫」(写真)「マンソン裂頭条虫」の3種類の条虫が寄生します。なかでもとくに多いのが「瓜実条虫」で、成長すると50~60cmほどの長さになることもあります。いずれも片節というパーツでつながっていて、白く細長いヒモのような見た目が特徴です。

どうやって感染するの?


瓜実条虫の卵を食べたノミが猫の体の表面に付き、毛づくろいのときに、猫が条虫を宿したノミごとなめとることで感染します。また猫条虫は、条虫の卵を宿したネズミを猫が食べることで、マンソン裂頭条虫は、条虫の卵を食べたカエルや、そのカエルを食べたヘビを食べることでそれぞれ感染します。

どんな症状で気づく?


条虫は猫の小腸に寄生しますが、多数寄生しない限り猫への害は少なく、無症状のこともあります。瓜実条虫の片節(白い卵のようなもの)がウンチに混じっていたり、お尻や寝床に付いていたりすることで気づく場合も。

治療法は?


便検査では条虫の卵は見つかりにくいため、猫のお尻やウンチに条虫の片節がないか視診で確認します。治療は条虫を退治する駆除薬を投与するほか、ノミに感染している可能性も高いため、ノミの駆除薬の投与も必要です。

特に多い外部寄生虫「ノミ」「ダニ」

皮膚や耳など、体の表面をすみかとする外部寄生虫。そのなかでも代表的なものが、「ノミ」と「ダニ」です。

吸血されると激しいかゆみが生じる「ノミ」

「ノミ」の特徴


ノミは世界中に多くの種類が棲息し、吸血する相手を選びません。猫に付くのはほとんどが「ネコノミ」で、体長は2mmほど。毛の間をすり抜け、活発に動きます。猫の皮膚に刺した針から唾液を出すため、強いかゆみが生じます。

どうやって感染するの?


全身毛に覆われている猫はノミにとって寄生しやすい動物で、とくに皮膚が薄く刺しやすい背中を吸血することが多いようです。また、ノミは気温20~30℃、湿度50~80%の環境で繁殖します。そのため、冷暖房の整った部屋で暮らす猫にとっては、もっとも身近な寄生虫だといえます。

どんな症状で気づく?


猫もノミに刺されるとかゆみを感じます。体をしきりにかいたり、毛をカチカチと噛んだりするしぐさが見られたら、ノミが寄生しているかもしれません。

治療法は?


ノミ取りの櫛などを使ってノミの存在を確認し、駆除薬を投与することで駆除と予防が可能です。同時に家の中にいるノミも駆除します。また、ノミに瓜実条虫が寄生している可能性もあるため、その有無を調べることもあります。

耳や体表に寄生する「ダニ」

「ダニ」の特徴


ダニ類はクモの仲間で、8本足と袋状の体は共通ですが、大きさや生態はさまざまです。猫に多いのは「ミミヒゼンダニ(耳ダニ)」で、体長0.5mmほどと小さく、肉眼ではほとんど見えません。一生涯を動物の外耳道で過ごします。「ミミヒゼンダニ」のほかにも「ショウセンコウヒゼンダニ」や「マダニ」が寄生することもあります。

どうやって感染するの?


ダニは感染力の強い寄生虫で、感染猫と軽く接触したり、同じブラシを使ったりするだけでもうつります。複数飼いの場合は生活空間を共有しているため、すぐに同居猫にもうつってしまいます。とくに多いミミヒゼンダニは外で生活していた、元ノラ猫に多く見られるようです。

どんな症状で気づく?


猫は耳に寄生されることが多いため、しきりに顔周りをかいたり、黒く独特なニオイの耳垢が大量にたまったりします。また、ショウセンコウヒゼンダニは顔周りや前足の皮膚に寄生し、マダニは顔や体にくっついて吸血します。

治療法は?


検査は、耳垢や毛などを採取して顕微鏡で確認します。マダニは肉眼でも確認が可能です。治療はダニの種類に応じて駆除薬を投与します。

感染するとやっかいな内部寄生虫「フィラリア」「原虫類」

獣医師に抱かれる猫
getty

猫が感染すると突然死してしまうこともある「フィラリア」

フィラリアというと犬の寄生虫という印象ですが、じつは猫にも感染します。猫の10匹に1匹はフィラリアに感染した経験があるというデータも。フィラリアは、蚊が媒介して猫に寄生します。犬のように体内で成虫にまで発育しないことが多いので、はっきりとした症状が見られず、診断が困難です。

まれに成虫に発育すると、普通に生活していた成猫が突然死亡してしまうケースも。現在は有効な治療法がなく、フィラリアから猫を守るためには、定期的に予防薬を投与するのが唯一の方法です。

猫の体の中で増殖する目に見えない寄生虫「原虫類」

原虫類とは、同じ内部寄生虫の中でも、回虫・条虫などとは異なる単細胞の生物の総称です。感染した猫のウンチに含まれるオーシスト(卵のようなもの)を口にすることによって感染し、猫の体内で増殖していきます。

猫の小腸に寄生するため、軟便や下痢になったり、子猫の場合は体重が減ったりすることも。健康な成猫の場合は無症状のこともありますが、子猫の場合は衰弱して死に至るケースもあります。便検査で虫が特定できたら抗原虫薬で駆除し、下痢などの症状があれば対症療法も同時におこないます。

猫の寄生虫が人にうつることもあるの?

膝にのる猫
getty

猫のウンチを処理する際、卵などが人の体内に入ってしまうと、「猫回虫幼虫移行症」や「瓜実条虫症」という病気になる可能性があります。また、猫に付いたノミに気付かないうちに刺されたりすることも。

猫回虫幼虫移行症

猫がウンチと一緒に排出した回虫の卵が孵化直前まで育ち、それを人が口にすることによって感染します。また、猫が肛門周辺をなめたときに卵が口や体に付き、食器や毛を介して人にうつることも。感染すると回虫が体内を移動し、行き着く先が目なら斜視や失明、肺なら喘息になるおそれもあります。

瓜実条虫症

条虫はノミを宿主としており、そのノミを飲み込んだ猫の排泄物を処理する際、目に見えない卵やノミが体内に取り込まれることによって感染します。症状が出ることはほとんどありませんが、まれに下痢や嘔吐をすることがあるため、とくに幼児は注意が必要です。人の排泄物に、条虫の一部が混じって発見されることも。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「猫から人にうつる病気」

寄生虫の予防や対策について

動物病院で便検査などを受ける

ノラ猫は寄生虫に感染している可能性が高いといえます。かゆがるなどの症状が見られなくても、猫を保護したらすぐに動物病院へ連れて行き、便検査などを受けましょう。

寄生虫の予防・駆除薬を投与する

ノミ・ダニ・フィラリアなど、寄生虫によっては効果的な予防・駆除薬があります。年間を通じて暖かい地域では通年、月1回投与します。それ以外の地域は獣医師に相談の上、期間を決めて予防しておくと安心でしょう。

ウンチを観察し、処理したあとは石鹸で手を洗う

飼い主さんが猫のウンチを観察することによって寄生虫に気づくケースもあります。ウンチに異物が混じっていないか確認する習慣をつけましょう。また、ウンチに混じる卵などは新たな感染源になります。排泄物はすぐに処理し、飼い主さんは手を石鹸で洗いましょう。

感染しても症状が出ないこともあり、気づかないうちに感染している可能性もある寄生虫。愛猫が元気だからと油断せずに、定期的に動物病院で検査や予防をすることが大切です。

参考/「ねこのきもち」2017年7月号『知らぬ間に猫の健康を脅かす コワ~イ寄生虫にご用心!』(監修:サエキベテリナリィサイエンス 佐伯英治先生)
   「ねこのきもち」2017年9月号『エッ!触らなくても感染するの?? 猫から人にうつる病気に気を付けて!』
   「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『猫から人にうつる病気』
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/AzusaS
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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