「待ってたニャー」
猫を飼っていると、仕事や買い物などで外出をする際に、後ろ髪を引かれる思いで自宅を後にすることが多いでしょう。「うちの子は寂しい思いをしていないかな?」と心配をしながら飼い主さんは目的地へ急ぎます。そして、ふと思い出すのです。飼い主さんが出かける時に「行ってくるね」と声をかけても、のびのびリビングでくつろいでいる姿を。「うちの子は私がいなくても大丈夫だ」と、ちょっぴり寂しい気分で用事を済ませ家に帰ってくると…。
「待ってたニャー。どこにって行ってたの?」と言っているような姿で、飼い主さんを待つ愛猫が!「えっ!待っててくれたの?!」と、嬉しさと驚きが混ざり合った感情がこみ上げてきます。外出先で嫌なことがあっても吹き飛ばしてくれる姿に感動さえ覚えます!
しかし、飼い主さんが家を出るときはガン無視なのに、なぜ猫は玄関などで帰りを待っていてくれるのでしょうか?
知っておきたい「出待ち」の心理:1
特定の飼い主を待っているわけではない?!
たとえば、飼い主の家族構成が、父・母・長男・妹という形だと「長男のことは待っていてくれないのに、母の帰りだけは玄関で待っている」という状態を見ることがあるでしょう。愛猫に待たれる母を「うらやましいな」と思うことはありませんか?
単独行動を好む猫は、ドライな思考の持ち主。「早くご飯が食べたい。トイレ掃除をしてほしい」など、その行為を「してくれる人」を待っています。愛猫のご飯の用意やトイレ掃除などを率先してやると「待たれる人」の仲間入りできるかもしれませんよ!
知っておきたい「出待ち」の心理:2
どのくらい前から待っててくれるの?
猫は、自分の欲求がでてくると「その行為をしてくれる人」を探します。お腹がすくとキョロキョロと周りを見回し、ご飯の用意をしてくれる人が居ないと「待ちの心理」に入ります。足音や車のエンジン音、話し声など人の気配がすると、玄関などに移動する場合が多いでしょう。
その際は「お帰り!君を待っていたよ」というより「なにやってんの!はやくご飯にしてよ!」というセリフが正解なのかもしれません。
知っておきたい「出待ち」の心理:3
トイレやお風呂の前でなぜ待つの?
猫は家の中を自由に動き回ります。リビングや寝室、台所にも入り込みます。しかし、そんな猫にも入ることが出来ない秘境が、お風呂場やトイレです。猫をシャンプーするときにお風呂場に連れていくことがあっても、「飼い主が頻繁に入る場所」と「猫がイヤなことをされる場所」が結びつかず、興味津々なのでしょう。ジャーっと流れる水の音にも興味を持っているのかもしれません。
愛しているからアナタを待っています!
「私を待っているのではなく、お手伝いさんを待っているのね」なんて感じてしまう方もいると思いますが、猫の心理は複雑です。「この人のそばにいると安心」「たのしい遊び相手」なんて感じている節ももちろんあります。出待ちをする猫も出待ちをしない猫も、飼い主さんを愛し、必要としています。今日はいつもより早く帰ってあげませんか?
出典/「ねこのきもち」16年8月号『今日も、きっと、あなたを待っています。出待ちする猫』
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。