それは「やきもち」なの?
飼い主さんが感じるシーン
飼い主さんが、猫がやきもちをやいている感じる場面は次のようなときです。
・同居猫と遊んでいるとちょっと離れたところからじーっと見てくる
・同居猫がいない場所だと、そばにきてデレデレ甘えてくる
心当たりがある飼い主さんも多いのではないでしょうか?
では、実際、このときの猫の気持ちはどのようなものなのでしょう…。
猫の気持ちは?
飼い主さんが他の同居猫と遊んでいるのを見て、猫は「うらやましい」と思っているようです。自分も遊んでほしい、かまってほしいという気持ちはありますが、「やきもち」とはちょっと違うみたいです。それは、猫には、人間のように「ライバル」となる対象を妬んだり憎んだりする気持ちはないためです。
何しているの?つまらないの?
飼い主さんが感じるシーン
なんとなく猫がつまらなさそうにしている場面を見たことはありませんか?
・何をするわけでもなくボーっとしている
・飼い主さんがくつろいでいるとおもちゃに近づいて遊んで欲しそうな顔をする
猫はこのとき本当に「つまらない」と思っているのでしょうか…。
猫の気持ちは?
猫が感じる「つまらない」は、刺激がなく欲求が満たされないときの気持ちが近いとされています。しかし、猫はやることがなければすぐに寝てしまうので、人と違い「つまらない」と感じる時間はほとんどないようです。
もしかして反省しているの?
飼い主さんが感じるシーン
猫は、反省したようなしぐさを見せることがあります。
・怒られることをしたときに机に上がるなどして目が合わないようにそらす
・物を壊してしまったときにうつむき加減になる
タイミングとしては「反省している」ようにも見えますが、本当のところはどうなのでしょうか…。
猫の気持ちは?
猫は、怒られたり失敗したりするとショックを受けます。そして、それを嫌なこととして覚え、繰り返さないようにします。この瞬間が「反省している」ようなしぐさなのでしょう。しかし、猫は自らの失敗を認めることはありません。そのため、人間が思うような「反省している」ではないかもしれませんね。
その失敗、恥ずかしがっているの?
飼い主さんが感じるシーン
「うちの子、もしかして恥ずかしがっているの?」と感じるようなしぐさを見せる猫。
・跳び乗ろうとした先に台がなく落下し、そのあとしばらくの間は毛づくろいしていた
・ジャンプに失敗したとき、目の届かないところに隠れている
猫にも「恥ずかしい」という気持ちはあるのでしょうか…。
猫の気持ちは?
猫は、自分の失敗を認識することができます。そのため、失敗したときには違う行動をして気を紛らわせようとします。これを「転位行動」と呼び、その転移行動の1つとして毛づくろいなどがあります。人間の「恥ずかしい」に近い行動ですが、そもそも猫は周りの目を気にすることなないでしょう。
ほかにも猫にはこんな気持ちがあるニャ!
それは「信頼」の証?
初めての場所へ行った際、興奮気味の猫を抱っこしてあげることで、「おとなしくなった」と感じたことがあるでしょう。猫は、大好きな飼い主さんのことを「安心できる存在」として認識しています。そのため、抱っこをしてもらうと落ち着くことができます。
しかし、現在の研究結果では、「信頼している」とまでは言い切れないようです。
残念なの?無念なの?
かわいくて愛猫の名前を呼ぶ。これは愛猫家なら誰でもあることでしょう。しかし、名前を呼ばれた猫の方は、なんだか残念がっているように感じることはありませんか?
猫は名前を呼ばれると自分にとって良いことを期待します。例えばフードがもらえるなど。しかし、ただ名前を呼ばれただけでフードがもらえないとわかると、「期待したことが叶わなかった」「諦めきれない」という気持ちになるようです。
人間の「悔しい、無念」という気持ちとは全く同じというわけではないようですが、似た感情かもしれませんね。
飼い主さんから見た愛猫の〇〇っぽいしぐさ、実は思っていたのとはちょっと違うようです。それでも気持ちを表現してくれる猫はかわいいものです。愛猫の気持ちを上手に汲み取って、さらなるコミュニケーションをはかりましょう!
出典/「ねこのきもち」2017年5月号「猫にもあるの?この気持ち」(監修:武蔵野大学教育学部講師 齋藤慈子先生)
文/onishi
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。