猫を迎え入れたのにもかかわらず、自分や家族になかなか懐いてくれないと悩んでいる方はいませんか?猫が懐かないのは、何か理由があるからかもしれません。
今回は、猫が懐かない人の特徴や、猫に懐かれる飼い主になるための方法などを、ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に伺いました。
猫が懐かない原因は?
猫にとって苦手なニオイや音を発している
優れた嗅覚をもつ猫は、強いニオイを嫌います。具体的には、タバコ・香水・ハッカ臭など。柑橘系のニオイを嫌う猫も少なくないようです。
さらに猫は、人には感じ取れない波長の音を聞き取れるほど耳がいいため、大きな音を嫌う個体も多いようです。猫に大きな声で話しかけたり、ドタドタと大きな足音を立てて歩いたりするのは、猫に避けられる要因になります。
猫が嫌がる行動をとっている
愛猫かわいさに、追いかけ回したり無理やり抱っこしたりなど、猫が嫌がる行動をとってはいませんか?また、猫がすり寄ってきたときにテンションが上がり、嬉しさのあまり身振り手振りが大きくなっていませんか?
いずれも猫を怯えさせてしまう行為なので、愛猫の警戒心が強くなり、懐きにくくなってしまいます。
新入り猫が遠慮をしている
多頭飼いをしているご家庭で、新入りの猫がなかなか懐かない場合は、先住猫に遠慮している可能性があります。新入りの猫に対してスキンシップが不足すると、引っ込み思案な性格になり、飼い主さんとも先住猫ともコミュニケーションをとらなくなるかもしれません。
先住猫を優先しつつ、新入りの猫にも積極的にスキンシップをしてあげましょう。
懐きにくい猫もいる
オスとメスで懐き方が違う?
飼い猫の場合は、一般的にメスよりもオスのほうがストレートに愛情表現をしたり、甘えたりする傾向があります。特に去勢・避妊手術を終えた猫は、オスが飼い主さんにべったりになりやすく、メスは飼い主さんと一定の距離をおくようになるなど、接し方に違いが出るケースも。
ただ、これには個体差があるため、オスだから必ず懐く、メスだから懐かない、というわけではありません。
保護猫は懐きにくい?
野良猫として生きてきた猫や、人から虐待を受けた後に保護された猫などは、人への警戒心や恐怖心が強く残っている場合があるため、飼い主さんに懐きにくいようです。時間はかかりますが、根気よく相手をして、人に対する恐怖心を和らげてあげましょう。
猫に懐かれる人になるには
猫への近づき方を考える
猫は、視覚よりも嗅覚と聴覚で人を認識するため、急に近づかれたり大きな音を立てながら近づかれたりするのは苦手です。猫に近づくときは、見える位置からゆっくりと静かに近づくよう心がけましょう。
また、背が高い人はできるだけ低い姿勢で近づくのも有効です。ただし、どうしても人の方から近づくのが難しい場合には、猫から人の方に近づく機会を増やすのもお勧めです。おもちゃやフードなどを使って、愛猫に無理のない範囲で人の傍に誘ってみましょう。人の近くで楽しい経験をすることで、徐々に懐いてくれることも期待できるでしょう。
話しかけるときの声を変えてみる
先ほど紹介したとおり、猫は大きい声を好みません。猫に話しかける際は、やさしくゆっくりとした声が基本。物静かなおばあさんのようなイメージで声を出してみるといいかもしれませんね。
猫を長時間見つめない
猫の目をじっと見つめる行為は、「今から攻撃をするぞ」という合図になります。かわいいからとついつい見つめたくなってしまいますが、ぐっとこらえて、目をあまり見ないよう心がけましょう。
愛猫に懐いてもらえるかどうかは、飼い主さんの行動次第です。普段の行いを見直して、愛猫との距離をゆっくりと近づけていきましょう。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE『【獣医師監修】猫に懐かれない理由とは?懐かれる飼い主になる方法』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。