猫の世界は、不思議な行動の宝庫です。その気持ちを想像し、猫の行動について知っておくことで、猫との関係性がより深くなります。そこで今回は、獣医師の菊池亜都子先生に、猫の行動にまつわる問題を出していただきました。
Q.目が合ったときに猫が安心する飼い主さんの行動は?
A.アイコンタクトをとったまま近付く
B.猫になりきって「ニャ~」と鳴く
C.ゆっくりまばたきをする
正解は「C」!まばたきして敵意がないことを伝えよう
猫同士では、相手の目をジッと見るのは「敵意あり」で、目を細めるのは「敵意なし」という意味になります。これは人に対しても同様なので、ゆっくりまばたきをすると、猫は安心してリラックスできるでしょう。
Q.猫が驚いたあと、気持ちを静めるためにやる行動は?
A.前足で物に猫パンチする
B.前足でふみふみする
C.前足で顔を洗う(毛づくろい)
正解は「C」!原因と無関係なことをする転位行動
緊張や恐怖心から気持ちを静めるために、原因と無関係な行動をすることを「転位行動」といいます。猫の場合、前足で顔を洗ったり、自分の体をなめたりして、興奮した気持ちをクールダウンさせることが多いでしょう。
Q.「真空行動」ってどんな行動?
A.突然始まる真夜中の大運動会
B.ウンチのあとに走り出す「ウンチハイ」
C.外を眺めて「カカカッ」と鳴く
正解は「A」!何の刺激もなく突然始まる謎の行動
原因となる刺激がないのに突然行動を始めることを「真空行動」といいます。この代表格が、夜中に突然ドタバタと始まる、真夜中の大運動会。また、何もない空中に突然飛びかかる行動をする猫もいます。
Q.のどをゴロゴロ鳴らすのは機嫌がいいときだけではない。では、該当しないのは?
A.ケガなど痛みを感じているとき
B.強い不安や恐怖を感じているとき
C.何かに夢中になっているとき
正解は「C」!のどを鳴らすことで苦痛を軽減
ゴロゴロ音というとご機嫌なときに聞くことが多いでしょうが、じつはそもそも、のどを鳴らすのは「傷を治すため」が始まりだったという説があります。のどをゴロゴロと鳴らすことによって、痛みや恐怖といった苦痛を軽減させると考えられています。
今回ご紹介した内容以外にも、猫の不思議な行動はまだまだ多くあります。それをひとつずつひも解いていくことは、愛猫へのより深い理解と、円滑なコミュニケーションの役に立つはず。これからも猫について、少しずつ学んでいきたいですね。
お話を伺った先生/菊池亜都子先生(獣医師)
参考/「ねこのきもち」2022年5月号『スペシャリストが出題。知るほど愛猫を大切にできる! 「ねこ検」やってみよう!』
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。