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知ってるようで知らない「猫の目の病気7つ」
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目にもその症状は現れ、網膜へのダメージで黒目がいつもより大きくなり、視力が低下します。また、目全体が大きい場合は、緑内障を併発していることも。
キズやウイルス感染が原因の「角膜の病気」
ひとつは、「角膜穿孔(せんこう)」という病気。角膜に穴が開いている状態で、猫同士のケンカによる引っかきキズや、角膜炎・角膜潰瘍(かいよう)の悪化が原因といわれています。
強い痛みがあるため、猫は目をショボショボさせたり、充血やはれ、むくみ、大量の涙などの症状が見られます。
もうひとつは、目の表面が黒くにごり、かさぶたのようになる「角膜分離症」。原因ははっきりわかっていませんが、猫カゼなどのウイルス感染症の影響により代謝障害が引き起こされているのではと考えられています。
ペルシャやヒマラヤン、日本の三毛猫に多く見られることも、この病気の特徴です。
失明の危険も? 「緑内障・白内障」
「緑内障」は、眼球内の房水という液体がうまく循環しなかったり、排出が滞ったりして眼圧が上がる病気。強い痛みや、目全体が大きくなる、表面が白くにごるなどの症状があります。網膜や視神経が圧迫され、失明してしまうこともあります。
一方、「白内障」は、目のレンズである水晶体の一部または全部が白くにごり、視力が低下する病気。猫にはまれな病気ですが、その多くは先天性・遺伝性といわれ、生後数カ月から2歳くらいまでの若い猫が発症します。
悪化すると緑内障を併発して失明にいたることも。猫同士のケンカによる外傷が原因で発症することもあるので注意しましょう。
“膜”に症状が現れる「ブドウ膜炎・チェリーアイ」
「ブドウ膜炎」は、猫の眼球を取り巻くブドウ粒状の膜状組織(虹彩・毛様体・脈絡膜)に炎症が起こる病気で、主に猫エイズ、猫白血病ウイルス感染症、猫伝染性腹膜炎などが原因で発症します。
主に、目の充血や白っぽくにごる症状があり、白内障との合併症のほか、原因不明の場合もあります。
猫の目頭にある白い膜、瞬膜の下にある瞬膜腺が外側に飛び出してしまうのが、「チェリーアイ」という病気です。
先天性のほか加齢によって発症する病気で、主な症状は、目頭の赤い突起。本来は内側に収まっているはずの瞬膜腺が外側に飛び出したため菌に感染してしまい、結膜炎・角膜炎の原因にもなるのです。
治療としては、瞬膜線を元の位置に固定する手術などをほどこします。
出典元/「ねこのきもち」2018年2月号『症例写真でよくわかる! 猫がかかりやすい目の病気』(監修:江島博康先生 東京ウエスト動物病院院長)
文/ヤマモト トモミ
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