猫も人と同様、さまざまな感情をもっています。しかし、全てが人と一緒というわけではなく、人にはあって猫にはない感情も少なくありません。
そこで今回は、人にはある「かまってほしい」「元気を出してほしい」など「○○をしてほしい」という気持ちが猫にもあるのかどうかを、動物看護師の小野寺温先生に伺いました。
かまってほしい
猫の性格にもよりますが、猫は飼い主さんに対して「かまってほしい」と思うことがあるそうです。かまってほしいときは、前足でチョイチョイと触ったり、飼い主さんのジャマをしたりなど、過去に「この行動をしたらかまってくれた」という経験をもとに、飼い主さんの関心を引こうとします。
行かないでほしい
猫は本来単独行動をする動物なので、成猫が「他者にそばにいてほしい」と思うことは、基本的にありません。しかし、現代の飼い猫は、大人になっても子猫のような気持ちを持ち続ける傾向にあるため、子猫が母猫に思うように「飼い主さんがどこかに行くと不安」と思うことがあるそうです。
元気を出してほしい
飼い主さんが落ち込んでいるとき、愛猫がそばに来てくれたことはありませんか?「元気を出してって思ってくれている?」と嬉しくなるかもしれませんが、残念ながら猫が他者を心配することはありません。この行動は、飼い主さんの様子がいつもと違うことに不安を覚え、そばに来て観察していると考えられます。
助けてほしい
猫は、高いところに上って下りられなくなっているときなどに、鳴きながら飼い主さんにアピールすることがあります。これは「自分では下りられないから、手伝ってほしい!」と思っていると考えていいでしょう。ただ、助けを求めているというよりは、飼い主さんを下りるための手段として認識している可能性もあるのだとか。愛猫の役に立てるのなら、それはそれでいいかもしれませんね。
人と猫とでは備わった感情や考え方が違うため、愛猫の気持ちを正しく読み取るのは、少し難しいでしょう。それでも、猫に「ある」気持ちと「ない」気持ちを知っておけば、愛猫への理解が深まるかもしれません。ぜひ参考にしてくださいね。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学講師 動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2022年8月号『喜怒哀楽に嫉妬や感謝… 専門家が判定します 猫にある?ない?この気持ち』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。