猫と暮らしていると、「今、愛猫はどんな気持ちなのかな?」と想像することはありませんか? 実際、猫にも「喜怒哀楽」のような気持ちはあるのでしょうか。今回は、動物看護師の小野寺温先生に、猫の感情について伺いました。
喜ぶ気持ち
猫にとっての喜びとは、「快適だ」「安全だ」「居心地がいい」と感じることです。大好きな飼い主さんにくっついてなでられているときなどは、大きな喜びを感じているでしょう。
猫が喜んでいるときは、全身の力を抜いてリラックスし、目を細めたりまぶたを閉じたりして、とても穏やかな表情をします。また、のどをゴロゴロ鳴らす様子も見られるでしょう。
怒る気持ち
猫は自分の身を守るために怒ります。それは、「不快だ」「危険だ」と感じたとき。耳を後ろ向きに反らせ額を見せつけて、目を逆三角形にして怒っていることをアピールします。
怒りが強いときは「ウー!」と唸ったり、弱気なら「シャー!」と威嚇したりすることが。また、噛んだり引っかいたりして攻撃する場合もあります。
猫は基本的に自分のために怒りますが、母猫は子猫を守るために怒ることがあります。
哀しい気持ち
猫は自分に思考の軸を置いているので、他者のことを思いやって「哀(悲)しい」と感じる気持ちはあまりないと考えられます。しかし、ほかの猫や人に危害を加えられそうになって「すごくイヤだ」と感じたり、大切な存在を失うことで「不安だ」と感じたりなど、ネガティブな感情を抱くことはあるでしょう。ある意味「哀(悲)しい」に似た気持ちといえるかもしれませんね。
楽しい気持ち
「楽しい」という感情は、何かの刺激を受けてワクワクする(交感神経が興奮状態になる)ことです。
猫の場合は、獲物を捕まえようとしているときや、おもちゃで遊んでいるとき、猫同士で追いかけっこをしているときなどに楽しい気持ちでいるでしょう。ワクワクすると瞳孔が開き、心拍が速くなって脳にもよい刺激をもたらすことがわかっています。
人とは少し違う部分もあるけれど、猫にも「喜怒哀楽」はあるようです。猫の気持ちを想像しながら、「嬉しい・楽しい」気持ちを増やしてよりよい関係を築いていきたいですね。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学講師 動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2022年8月号『喜怒哀楽に嫉妬や感謝… 専門家が判定します 猫にある?ない?この気持ち』
文/小林けい
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。