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突然倒れてそのまま命を失うことも どんな猫にもリスクがある「心筋症」ってどんな病気?

猫の心臓病の中でも、発症率が高いのが「心筋症」です。飼い主さんが気付きにくいうえに、かかると重篤なケースも多いことから、怖い病気のひとつといえるでしょう。今回はそんな心筋症について、獣医師の重本仁先生に解説していただきました。

心筋症ってどんな病気?

退屈猫
Stegarau/gettyimages
猫の心筋症は、症状がわかりにくいことから気付かないうちに病状が進行して突然倒れ、そのまま命を失うおそれのある恐ろしい病気です。
心筋症は、心臓の大部分を占める「心筋」という筋肉に異常があり、心臓のポンプ機能が低下することで、血液の循環が悪くなる病気です。大きく分けて「肥大型」「拘束型」「拡張型」がありますが、とくに多いのが、心筋が内部に向かって厚くなり、心室が狭くなることで全身に充分な血液を送り出せなくなる「肥大型心筋症」です。

心筋症の症状は?

ソファでグルーミングしている猫
kaorinne/gettyimages
先述したように初期症状はわかりにくく、肥大型心筋症の33~55%が無症状という報告もあるほどです。
悪化すると呼吸が荒くなる、咳が出る、うずくまって休んでばかりいるなどの様子が見られる場合もあります。異変が全くなく、突然倒れるケースも。
心筋症の発症年齢は、生後3カ月から17才までと幅広い年齢で報告されており、年齢と発症のしやすさには関連がないと考えられています。

心筋症から愛猫を守るためにどうしたらいい?

寝ている猫
takashikiji/gettyimages
心筋症は、通常の定期健診では判明しにくいため、特化した検査を定期的に受けることが大切です。
血液検査の心臓マーカー(NT-proBNP)であれば、少量の血液を採るだけで検査ができるため、定期健診の血液検査時に追加し、心臓マーカーが高値を示した場合に超音波検査を受けるようにするのもいいでしょう。

心拍数の計測もおすすめ

猫の心拍数を測るのも有効です。
正常な猫の心拍数は、安静時で1分間につき130~160拍。運動や興奮時は、240拍くらいまで上がります。
安静時でも200拍以上が継続するなら、心臓に異常があるおそれが。心拍数は猫によって個体差があるため、愛猫の通常の数値を把握するためにも、できるだけ毎日測り、少しの異常でも気付けるようにしたいところ。

方法としては、猫の背後から両脇の下に両手を入れて抱っこをし、手に伝わってくるトクトクという鼓動を数えればOK。20秒間の心拍数を数えて、その数を3倍にすれば1分間の数値になります。抱っこを嫌がる猫は、立っている状態でも大丈夫。同様に左右の脇の下から両手を入れて測ってください。
心筋症は、残念ながら予防することができません。そのため、愛猫を守るためには早期発見できるかが大きなポイントになります。今回ご紹介した内容も参考に、少しでも異変があった場合は、動物病院で診察を受けてくださいね。
お話を伺った先生/重本仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/「ねこのきもち」2020年10月号『怖い心臓の病気 猫の心筋症』
文/田山郁
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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