猫は、起きている昼間の時間帯をどう過ごしているのでしょうか? 何もやることがなさそうに見えて、充実した時間を過ごしている猫の行動について、獣医師の藤井仁美先生に教えていただきました。猫が1日のなかでよくしている行動を4つ紹介します。
毛づくろいする
舌の表面にあるトゲトゲをブラシのように使って、全身をなめる毛づくろい。体の汚れを取り除いて毛並みを整える効果があるほか、自分のニオイを付けることで気持ちを落ち着かせる作用もあります。
毛づくろいは猫にとっては大切な行動なので、それなりに費やす時間も長いはず。一説によれば、起きている時間の3分の1は毛づくろいしているともいわれています。
窓の外を眺める
室内飼いの猫にとっては、窓の外の景色や鳥などを眺めることがいい刺激になります。そのため、起きている時間は、窓際で過ごすことが多くなるのでしょう。高さがあると視野が広くなるので、外を眺める場所として出窓や猫タワーを好む猫が多いようです。
窓際でまどろむ時間も
窓際にいる猫は、ずっと外を眺めているわけではなく、ときにはそこにとどまって休憩することも。窓から入る日差しが気持ちよくて、まどろむ時間も多いでしょう。
遊んだり、運動したりする
猫にとっての遊びは単なる娯楽ではありません。野生時代の狩りを疑似体験する時間で、猫にとって大切なもの。また、猫タワーの上り下りをしたり、廊下を走ったりする運動も、健康維持に欠かせません。
若い猫や、ベンガルなどの活発な猫種は、遊びの時間が長ければ長いほど嬉しいと感じるでしょう。
飼い主さんに甘える
飼い猫はいくつになっても、飼い主さんを母猫のように思い、子猫気分から抜け出せないもの。一般的にラグドールなどの長毛種には甘えん坊が多く、1日のうちで2~3時間もベッタリする猫もいるのだそう。
猫によって甘え方はさまざま。素直に抱っこされたがる猫もいれば、飼い主さんに体をくっ付けて満足する猫もいるようです。
どの行動も、ただやっているように見えて、猫にとっては重要な意味があるもの。猫は景色を眺めたり、毛づくろいしたり、遊んだりしながら、それなりに忙しく過ごしているのでしょう。
お話を伺った先生/藤井仁美先生(獣医師 獣医行動診療科認定医 ペット行動カウンセラー)
参考/「ねこのきもち」2022年4月号『「よく寝る子」は起きてるときって、何してる? ねこの8時間』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。