愛猫の体調が悪いときにお世話になる、動物病院。飼い主さんにとってはなじみのある施設ではあるものの、受診前に迷いが生じたり気になることが出てきたりすることも少なくありません。
そこで今回は、「指示されてはいないけれど、愛猫の排せつ物を持参してもいいの?」「往診はどういうときに頼んでもいいの?」など動物病院の受診時に関する疑問を、獣医師の重本仁先生、田草川佳実先生に伺いました。
獣医師の指示がなくてもウンチやオシッコを持参してもいい?
受診の際に排せつ物を持参するのは、事前に聞かなくとも持参してOKです。健康診断では尿検査と便検査をするのが基本なので、特に言われていなくても持っていくといいでしょう。ただ、新鮮な尿が必要なときなどは、病院で採尿することもあります。
自宅でウンチを採取する際は、片手にラップを持ち、割りばしでウンチを挟んでラップに運び、包みます。ウンチは密閉ケースに入れて、半日以内に持参しましょう。
往診をお願いしたほうがいいのはどんなとき?
獣医師が自宅に来て診察をしてくれる「往診」を行っている動物病院もあります。主に、病院に連れてこられないほど弱っていて、猫を動かすことで病態が悪化すると判断したときに行われるようです。また、病院では検査できないほど暴れてしまうタイプの猫なども、往診を活用することがあるそう。ケースバイケースなので、往診を希望する場合は直接獣医師に聞いてみましょう。
異変もなく元気なのに毎月受診してもいい?
特に異変はなく元気でも、寄生虫の駆虫薬投与などのついでに毎月受診するのは、獣医師としては「おすすめ」なのだそう。猫が動物病院に来る練習になる、その都度気になることを気軽に相談できる、かかりつけの獣医師と密なコミュニケーションを図れるなど、さまざまなメリットがあるためです。
緊急の場合、診療時間外に電話をしてもいい?救急の動物病院にあたるべき?
診療時間外の対応は、動物病院によって異なります。対応してもらえることもあるかもしれないので、一度電話してみるのもいいでしょう。ただ、対応できないときのことを想定して、速やかに救急動物病院に連絡できるよう準備はしておいてください。
また、自宅から行ける範囲の救急動物病院を、普段からチェックしておくことも忘れずに。
動物病院や獣医師は、飼い主さんたちの強い味方です。困ったことがあったときは、遠慮なく獣医師に相談してみましょう。
お話を伺った先生/重本仁先生(王子ペットクリニック院長)、田草川佳実先生(聖母坂どうぶつ病院副院長)
参考/「ねこのきもち」2023年8月号『飼い主さんの迷うシーン別、獣医さんにホンネを聞きました 動物病院へのギモンQ&A』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。