狩りのマネをして遊び、興奮すると本能が目を覚ましハンター気分になる猫たち。猫が日常のなかで見せる行動のなかには、遊びのほかにも野生猫のスイッチが入るときがあるのだとか。野生の気分を感じている猫の行動について、哺乳動物学者の今泉忠明先生にお話を伺いました。
外で暮らしたことのない猫も、野生の本能が目覚めることがある
猫は野生の本能に支配されています。「動くものに狙いを定める」「飛び掛かる」などの本能的な行動をしているとき、野生猫のスイッチが入っている状態。外で暮らしたことのない家猫も、生まれながらにして野生の本能を備えているのです。
日常のなかで猫は外で生き抜くために必要な鋭い感覚や、俊敏な動き、警戒心などを垣間見せるでしょう。
野生の本能が目覚めた猫の代表的な行動
野生猫のスイッチがONになっている猫の行動には、代表的な次の4つの行動があります。
獲物(おもちゃ)を追う、仕留める
猫が獲物となるねずみや鳥のような動きをするものを狙ったり、飛びついて仕留めたりするのは、まさに狩猟本能によるもの。ハンター気分になっています。
決まった時間にパトロールする
家猫にとっての縄張りは家の中。決まった時間に決まったルートを通りながらパトロールして、家の中に異常がないかを確認します。
人やものを警戒して隠れる
単独行動をしていた猫は、もともと警戒心が強いです。見知らぬものや人を警戒して隠れるのは、自分の身を守るための本能的な行動といえるでしょう。
獲物(おもちゃ)を取られまいとする
自分の獲物を取られまいとする行動も、強い狩猟本能によるものです。興奮状態になると、「ウーー!」とうなり声を出して威嚇することもあるでしょう。
本能的に行動しているときは見守ろう
野生猫のスイッチが入っているときは、単独行動をする猫本来の気質が強く出ているため、自分自身で身を守ろうとします。そのため飼い主さんが目に入らなかったり、敵と認識したりすることも。
興奮状態の猫に手を出すと攻撃されることもあるので、猫が本能的に行動しているときはむやみに手を出さずに、そっと見守りましょう。
ゆったりとした日常のなかで機敏な一面を見せてくれる猫たち。野生の本能は、生活する環境がかわっても消えずに残っているのでした。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2023年12月号『"気まぐれ"に見える理由はこれでした!コロコロ替わるよ 猫のココロスイッチ』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
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