生まれたては、手のひらに乗るくらいのサイズしかない小さい子猫。見ているだけで癒されてしまいますが、そんな子猫にはあまり知られていない習性がたくさんあります。
そこで今回は、子猫の不思議な習性について、猫写真家の石原さくらさんに伺いました。
子猫時代に多くの人や猫と接するとフレンドリーな性格になる!?
猫は、生後2週~2カ月までを社会化期と呼び、人やほかの猫と接することで、社会性を学んでいきます。子猫期に他者と触れ合うことはとても大切で、多く接すれば接するほど、フレンドリーな性格が形成される傾向に。
ただ、この時期に人による怖い体験をしてしまうと、人を嫌いになりやすくなるため、子猫と接する際は注意するといいでしょう。
母猫に教わらないでも爪とぎを始める!?
生まれたときから、しっかりと爪が生えている猫。最初は爪が常に出た状態ですが、生後2カ月頃には爪の出し入れができるようになり、自発的に爪とぎを開始します。母猫などに教わることなく爪とぎができるのは、猫の遺伝子に刻まれた本能に由来する行動だからです。
爪とぎには、マーキングや爪のメンテナンスなど大切な役割があるため、スタートする時期も早いと考えられています。
「やんのかステップ」がひょうきんになっちゃう!?
子猫は、驚いたり威嚇したりするときに、毛を逆立てて背中を丸めた状態で横にピョンピョンと移動することがあります。その必死な表情とポーズから、SNSを中心に「やんのかステップ」と呼ばれるようになりました。
このやんのかステップは成猫も行いますが、体の軽い子猫は横っ飛びしやすく、コミカルな動きに。母猫に向けて威嚇の練習をしたり、遊びの一環で行ったりすることもあります。
乳離れするとすぐにハンターデビューしちゃう!?
子猫は生後1カ月頃に乳歯が生えてきますが、乳離れをするのもこの時期です。このタイミングで母猫は子猫に狩りの方法を教え始め、獲物の捕まえ方を身に付けさせます。
飼い猫にも狩猟本能はあるため、生後1カ月頃から狩りのまねごとでおもちゃに反応し、生後3カ月頃にはおもちゃを追いかけたり飛びついたりして、いっぱしのハンターへと成長するのです。
初めてなのにトイレが上手な子猫が多い!?
生後3~4週までの子猫は、母猫や飼い主さんに排せつを介助してもらう必要がありますが、生後4~5週くらいになると、自力で排せつができるようになります。この頃になったらトイレ砂を入れた容器を用意して、子猫が排せつしそうなタイミングで砂の上に移動させれば、それだけでトイレを覚える子猫が多いようです。
ご紹介した子猫の習性は、ちょっと不思議でおもしろいものばかりでしたね。子猫が子猫らしい姿でいる期間はとても短いので、子猫と触れ合ったりお世話したりする機会があるのなら、慎重に接するとともに、その愛らしさを存分に堪能しましょう。
お話を伺った先生/石原さくらさん(猫写真家 猫研究家 愛玩動物飼養管理士1級)
参考/「ねこのきもち」2025年5月号『可愛い写真にキュンキュン、トリビアにヘェ~ 子猫の不思議』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。