猫と暮らす
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猫の「くんくん」しぐさは、安全確認のため? 専門家が猫の気持ちを解説します
今回は、「くんくん」に隠された猫の気持ちについて、哺乳動物学者の今泉忠明先生にお話を伺いました!
安全確認のための「くんくん」
それまでに食べたことのない新しいフードが与えられると、猫はニオイを確かめることがあります。
この行動は、母猫が与えてくれた食べ物のニオイの記憶と照合し、「これは食べられるかな?」と安全確認をしているから。新しいフードを与えたとき、たまにまったく口にしないことがあるのは、猫の記憶棚にそのフードと同様のニオイがなく、警戒しているからなのかもしれません。
飼い主さんのニオイに興味津々!
飼い主さんの体からいつもと違うニオイがすると、「ほかの猫がいる?」「縄張りに侵入者がいるかも?」というように、飼い主さんへの素行調査が始まります。
その後、自分のニオイを飼い主さんの体に上書きすることも。縄張りを重視する猫は、そうして安心したいのです。
本能的・経験的に好きなニオイがある
これは、肉食動物である猫が本能的に好む動物の皮が使われていることや、関心を引く外のニオイがたくさん付いていることなどが理由として考えられます。
また、飼い主さんの体や服・靴などを「くんくん」するのは、飼い主さんのニオイが好きだから。
飼い主さんは安心できる存在だということが記憶に刷り込まれていて、飼い主さんのニオイを嗅ぐことで、いい経験が思い出されてリラックスできるのでしょう。
母猫に可愛がられた記憶をニオイで思い出す?
母猫に可愛がられたといういい思い出が、母猫のニオイとともに記憶されると、そのニオイを嗅ぐだけでいい気持ちに。
きょうだい猫同士の相性がよかったり、しばらく会っていなかった母猫とすぐにうちとけたりするのは、そのニオイが過去の記憶を呼び起こすからかもしれません。
もし、みなさんの身の回りの猫が「くんくん」していたら、どんなときにそのしぐさをしていたのか、ぜひ教えてくださいね♪
参考/「ねこのきもち」2023年9月号『嗅覚をめぐる、9つの真実 猫のくんくんのヒミツ』
文/亀田はるか
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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