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あえて小さな音で遊びに誘ってみて 猫の「聴覚」を刺激するアプローチ

猫がもつ「感覚」の特徴をよく理解し、それにあったアプローチをすれば、猫は新しい刺激や変化を楽しむことができるでしょう。

そこで今回は、猫の感覚のなかから「聴覚」をピックアップし、その特徴などについては哺乳動物学者の今泉忠明先生に、猫へのアプローチ方法については愛玩動物看護師の小野寺温先生にお話を伺いました。

猫の聴覚ってどんな特徴があるの?

ミヌエットのラテちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫の耳の根元には発達した約30本(人の約5倍)の筋肉があり、耳を自在に動かすことによって音源を捉え、その位置や正体を探り当てることができます。

また、猫は鳥やネズミなどが出す、高い鳴き声や超音波を聞き取ることができる、優れた聴力の持ち主。その可聴域は45~6万4000ヘルツとされ、人の約3倍の音域を聞き取ることができると考えられています。
では、このような聴覚をもつ猫には、どのようにアプローチすればよいのでしょうか。次から詳しくみていきましょう。

猫の聴覚を刺激するコツ(1)猫の名前を呼んで話しかける

スコティッシュフォールドのラテちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
これまでのさまざまな研究で、「猫は自分の名前を認知している」という報告があります。

名前を呼んでも、猫の反応は「わかっていますよ」と耳を動かす程度かもしれません。しかし、これも立派なコミュニケーションですので、ぜひ愛猫の名前を呼んで話しかけてあげましょう。

猫の聴覚を刺激するコツ(2)かすかな音で猫を遊びに誘う

メインクーンのククルちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫のように獲物に忍び寄るタイプのハンターは、聴覚情報が大切。狩猟の際は、耳をすまして獲物の居場所や動きを察知するところから始まります。

そのため、狩猟の疑似体験であるじゃらしおもちゃで遊ぶときにも、まずは聴覚に刺激を与えることで本能がくすぶられるでしょう。大きな音よりも壁や床を擦るかすかな音のほうが、猫は小動物の動きを連想し、狩猟本能を目覚めせるかもしれません。

猫の聴覚を刺激するコツ(3)鳥や虫の音など外の音を聞かせる

MIX茶×白のにじお ちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
川のせせらぎや木の葉のかすれ合う音、鳥や虫が出す音などの自然が奏でる豊かな音には、人には聞き取ることができない、猫にしか感知できない音も含まれているはずです。

嗅覚や視覚にも共通しますが、脱走対策をしたうえで、網戸にしたりテラスを開放したりして外の環境にふれさせることは、猫の聴覚にほどよい刺激を与えてくれるでしょう。ただし、工事音などの大きな音がする場合は、ストレスを感じる猫が多いので、遮音できる静かな部屋に移してあげるようにしてください。

猫の聴覚を刺激するコツ(4)猫をなでるなどしてゴロゴロ音をともに聞く

マンチカンのつむぎちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫はリラックスするとき、ゴロゴロとのどを鳴らすことがありますが、このゴロゴロ音には猫も人も癒やす効果があるようです。猫の出す低周波のゴロゴロ音は、副交感神経を優位にする働きがあり、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンを分泌する効果があると考えられています。

顔まわりをなでてあげるほか、飼い主さんがそばにいるだけでも、猫はリラックスしてゴロゴロとのどを鳴らすことがあるので、一緒にこの“幸せな音”を聞く機会を大切にしましょう。
なお、猫は高周波を多く含むモーツァルトの曲を好むという説があります。猫の音楽の好みは個体差が大きいのですが、総じて静かなクラシック系の音楽を好む傾向があるようなので、一緒に聴いてみるのもよいかもしれません。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長)、小野寺温先生(帝京科学大学講師 愛玩動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2023年11月号『猫ならではの「五感」にアプローチ キャットセンスを磨こう!』
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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