猫が排泄のときにする不思議な行動のなかには、“トイレに満足していない”というサインが隠れている場合があるので注意が必要です。愛猫にとって快適なトイレ環境にするためには、どうすればよいのでしょうか。
今回は、猫の排泄時の不思議な行動の理由と解決策を、獣医師の菊池亜都子先生にお聞きしました。
猫トイレのニオイをかぐだけで排泄せず出てくる
猫は人の何倍も鼻が利きます。そのため、まめに排泄物を取り除いていても、トイレのニオイを頻繁にかぐ猫はいます。神経質な猫はそれゆえキレイ好きな傾向があるので、トイレからほんの少しでもニオイが漂えば気になるのでしょう。
月2回のトイレ丸洗い&トイレ砂全交換を
トイレのこだわりが強い猫には、月2回のトイレ丸洗いと、トイレ砂の全交換が理想です。
中性洗剤でトイレ容器を洗ったあと、規定量の漂白剤で30分ほど漬け置き消毒をすることで、結晶化した尿の成分を取り除けます。トイレ容器の水分を拭き取ったあとは、1時間ほど天日干しで日光消毒をしましょう。
※漂白剤で消毒する際は、猫が近づかないように注意してください。
トイレ砂を掘っているとき同居猫がくるとやめてしまう
同居猫に見られているのが耐えられず、トイレをやめてしまうのでしょう。排泄中は無防備な状態になるので、ナーバスになる猫もいます。このケースでは、猫がストレスを感じている可能性も考えられるでしょう。
猫ごとにトイレを分けて
苦手な同居猫がいると、安心してゆっくりと排泄できないことがあります。この場合は、トイレ置き場を分けたほうがいいでしょう。リビングなどにトイレを並べて設置している場合は、排泄をやめてしまいがちな猫がよくいる部屋に、トイレを移動させるのも手です。
トイレ中人と目が合うと仕切り直す・部屋に人がいると猫トイレを使わない
猫はもともとジッと見つめられることが苦手。無防備な状態になる排泄中は、より視線が気になるものです。心を許した飼い主さんであっても、人目があると排泄しない猫は少なくありません。
目隠しを作って猫トイレを“個室”に
住居環境によっては、トイレの置き場所が限られてしまうお宅もあるでしょう。その場合は、布やついたてを使ってトイレを隠し、猫トイレを個室のようにするのがおすすめです。また、猫の体がすっぽり収まるフード付きトイレ容器に切り替えてみるのも一案です。
愛猫がいつでもストレスなくトイレができるよう、ちょっとした工夫とお手入れを取り入れていきたいですね。
お話を伺った先生/菊池亜都子先生(獣医師 獣医行動診療科認定医)
参考/「いぬのきもち」2020年1月号『ナゾな行動は「したくない」のサイン!? “したくなる”トイレ計画』
文/小林けい
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。