室内飼育なら、ノミ・ダニ寄生の心配はない? 残念ながら、答えはNOです。今回は「ねこのきもち」2024年1月号で行った、猫の健康管理に関する調査(※)の結果をふまえて、室内飼育でも猫のノミ・ダニ対策が必要な理由をねこのきもち獣医師相談室の原駿太朗先生が解説します。
※「ねこのきもち作り隊」281人と「ねこのきもちアプリ」にて飼い主さん1146人からとったアンケート結果を集計。複数飼いの場合は1匹を選択して回答。
※回答した飼い主さんの愛猫の年齢:0~1才(24%)、2~7才(54%)、8~13才(14%)、14才以上(7%)、わからない(1%)
5割以上の飼い主さんが愛猫にノミ・ダニ予防薬を投与していない!?
猫の飼い主さんに、愛猫へのノミ・ダニ予防薬の投与頻度について尋ねたところ、以下のような結果が明らかになりました。
どれくらいの頻度で愛猫にノミ・ダニの予防薬を投与していますか?
しばらく投与していない/したことがない…57%春から夏にかけてのみ月に1回…19%季節を問わず月に1回…17%季節を問わず2~3カ月に1回…7%
室内飼いでもノミ・ダニ寄生のリスクがあるので要注意
室内飼いの猫でも、ノミ・ダニに感染するリスクはゼロではありません。
ベランダや庭先に出たり、散歩や動物病院の受診で外に出たりしたときに感染する可能性や、野良猫やほかの動物との接触で感染する可能性、人が外から室内に持ち込むリスクもあります。また、温度や湿度が整えられている室内にノミ・ダニが入り込むと、そこで繁殖し一年中寄生を繰り返すケースもあるので、油断は禁物です。
愛猫をノミ・ダニから守るためにやるべきこと【外出時編】
猫のみならず、人が外からノミ・ダニを持ち込むリスクもあるため、人も外出するときは、きちんと対策することが大切です。
ほかの猫と接触しない
野良猫はもちろんですが、室内飼いの猫でもできるだけ接触を控えましょう。
虫よけスプレーを使う
草むらや木が多い場所への外出や、ノミ・ダニの活動が活発な時期に外出する際は、ノミ・ダニにも効果がある虫よけスプレーを体や衣類に使うのがおすすめです。
室内に入る前に衣類や靴をはたく・手を洗う
外から帰ってきたら、室内に入る前に服や靴などをはたきましょう。また、手を洗ってから猫や家具に触れるようにしてください。
愛猫をノミ・ダニから守るためにやるべきこと【室内編】
どんなに気をつけていても、小さなノミ・ダニを室内に持ち込んでしまう可能性はゼロではありません。室内では、ノミ・ダニを繁殖させない対策と予防が大切です。
ノミ・ダニの予防薬を使用する
薬を使用した定期的な駆虫は効果的です。使用する場合は、獣医師に相談しましょう。
部屋を清潔に保つ
こまめに室内の掃除を行い、ノミ・ダニが繁殖する前に駆除しましょう。特にカーペットや畳の内部、マットの下などは重点的に。また、カーペットや床用の駆除剤を使用するのもおすすめです。
猫用ベッドをまめに洗う
洗濯できるものは月に1~2回程度は洗い、できないものは駆除剤や掃除機で清潔に保ちましょう。
猫が外に出ないようにする
ベランダや庭先でもノミ・ダニ感染のリスクはあります。窓や玄関に囲いなどをして、猫が誤って外に出ないように対策をしましょう。
ノミ・ダニは、猫だけでなく人にも害を及ぼすことがあります。室内飼いだからと油断はせず、日頃から予防を徹底することが大切ですよ。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・原駿太朗先生)
参考/「ねこのきもち」2024年1月号『今年は1427人の健康管理の実態が明らかに!ニャ論調査2024』
取材・文/寺井さとこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。