冬は気温とともに湿度も下がり、空気が乾燥する季節。また、猫の飲水量も減る傾向があるので、乾きやすい冬は水分不足に注意が必要です。
今回は、冬に猫の飲水量が減りやすくなる理由や、猫の飲水量を増やす方法などについて、獣医師の田草川佳実先生にお話を伺いました。
病気や不調のリスクも! 冬に猫の飲水量が減りやすくなるのはなぜ?
寒さが苦手な猫は、冬はできるだけ暖かい場所で暖をとって過ごそうとし、動きが鈍くなる傾向があります。あまり動かないとのどが渇きにくくなるうえ、寒いと水を飲むために動くことすら面倒になる猫もいるため、冬は猫の飲水量が減りやすい季節と考えられているのです。
しかし、猫の飲水量が減ると尿石症や膀胱炎、便秘といった病気や不調のリスクが高まるため注意が必要です。愛猫が水分不足にならないよう、ふだんの生活のなかに水を飲ませる工夫を取り入れましょう。
愛猫に水を飲んでもらうための4つの工夫
(1)複数の場所に飲み水を置く
先述のとおり、猫は寒い季節になると、自分のいる場所から離れた場所へは、積極的に水を飲みに行かなくなることがあります。猫がどこにいてもすぐに水を飲めるよう、複数の場所に飲み水を置き、部屋の中を暖かくしてあげましょう。
(2)愛猫好みの温度・器・場所で与える
自分なりの“水へのこだわり”をもっている猫は珍しくありません。置く場所や水の温度、器の材質や自動給水器のタイプなど、いろいろ試して愛猫の好みを見つけてあげましょう。
(3)ウエットフードを与える
ウエットフードに含まれる水分量は80%前後が一般的です。ドライフードに含まれる水分量は10%前後とされているので、食事の一部をウエットフードで与えることで、無理なく飲水量を増やすことができるでしょう。
(4)遊びでたっぷり運動させる
運動量が減りがちな寒い季節は、積極的に愛猫を遊びに誘って運動量を増やしましょう。楽しくたっぷり動くことでのどが渇き、飲水量のアップにつながります。
改めてチェック! 猫の飲み水のお世話の基本
猫の飲み水のお世話の基本についても、改めて確認しておきましょう。
飲み水のお世話の基本
猫がいつでも新鮮な水を飲めるよう、少なくとも1日1回は水を入れ替えるようにしてください。また、容器は中性洗剤で洗って、ヌルヌル汚れを落としましょう。
食べカスなどが浮いている場合は、気づいた時点でその都度水を入れ替えることが大切です。
猫にとって水を飲むことと健康の維持は直結しています。今回ご紹介した方法などを参考に、水分不足による健康トラブルから愛猫を守りましょう。
お話を伺った先生/田草川佳実先生(聖母坂どうぶつ病院副院長)
参考/「ねこのきもち」2024年1月号『乾きやすい季節だからこそ、たっぷり飲ませたい! 冬の猫に大切なのは水でした』
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。