飼い主さんの布団に入り込んでくる愛猫。その理由について考えたことはありますか?今回は、猫が布団に入る理由や、一緒に寝るときの注意点について解説。さらに、布団の「どこで寝るか」でわかる愛猫の気持ちをご紹介します!
猫が布団に入ってくる理由とは?
愛猫が飼い主さんの布団に入り込んでくる、または布団の上で寝ることはありませんか?寒い時期は特に、飼い主さんにとっても幸せなひとときといえるかもしれません。それでは、猫が飼い主さんの布団で寝るのには、どんな理由があるのでしょうか?主に次のようなことが考えられます。
暖かいから
「冬になると一緒にお布団で眠る」「寒い日だけ入ってくる」といった飼い主さんの経験談が、多数あるようです。このことから猫は単純に寒いと感じると、暖を求めて自然と飼い主さんのそばで寝ようとしていることが考えられます。
子猫気分
若いころ去勢・避妊手術をした猫は、成長しても子猫時代の気持ちを持っていることが多いといわれています。そのため飼い主さんに甘える猫は多く、子猫の気分で飼い主さんと一緒に寝るという行動があるのかもしれません。本来、猫は単独行動をする動物ですが、信頼している相手にくっつくと安心感を得られるといわれています。
布団の居心地がいい
人が使っている布団や毛布は猫にとっても肌触りがよく、それを知った猫が気に入っていることもあるでしょう。「気持ちのいい場所で眠りたい」という単純な思いから、布団の中に入り込んでくるのかもしれません。
飼い主さんを信頼している
動物にとって「眠っているとき」というのは、もっとも無防備で外敵に狙われる危険な状態。そんな無防備な姿を飼い主さんのすぐそばで晒すのは、飼い主さんのことを信頼している証なのでしょう。つまり、猫にとっていちばん安全に眠れる場所が「飼い主さんのそば」ということなのです。
猫が布団に入り込んでくるのには、さまざまな意味合いが考えられます。いずれにせよ、飼い主さんを信頼している気持ちが根本にあるのかもしれません。続いては、猫と一緒に寝る際に気を付けるべきポイントについて見ていきましょう。
猫と一緒の布団で寝る際の注意事項①寄生虫や病気・感染症
猫と一緒に寝ると、病気やケガのリスクも高まりますので覚えておきましょう。
ノミやダニなどによる感染症やアレルギー
猫にノミやダニが寄生していた場合、布団などに住みついて、他の猫や人に寄生してしまうことがあります。それにより感染症やアレルギーを引き起こす可能性も。外飼いの猫はもちろん、室内飼いの猫でも、定期的なノミ・ダニ予防は欠かさないようにしましょう。
擦り傷や感染症
飼い主さんが寝返りをうった拍子に、猫が反射的に飼い主さんを引っ掻いてしまうことも。軽い擦り傷で終わればいいのですが、その傷から病気に感染してしまうこともあるので、普段から爪切りも徹底しましょう。
また、布団についた猫の体液などを飼い主さんが誤って吸い込んでしまったり、飼い主さんが寝ている間に猫が口や鼻を舐めたりすることで、「人獣共通感染症(ズーノーシス)」に感染する恐れがあります。幼児やお年寄りなど、体力がない場合は重症になることもあるので注意しましょう。
猫を圧死させてしまうおそれも
子猫や体の小さい猫と一緒に眠る上で忘れてはいけないのが、猫の圧死です。飼い主さんが寝返りを打ったときに猫が体の下敷きになってしまい、圧死させてしまうリスクもあるのです。どんなに気をつけているつもりでも、人は熟睡してしまうと自分が大きく体を動かしていることに気がつきません。健康な普通の猫であれば圧死は考えにくいですが、子猫や体の小さな猫の場合は要注意ですよ。
猫と一緒の布団で寝る際の注意事項②オシッコ
飼い主さんのなかには、猫と一緒に寝ていたら、布団にオシッコをされてしまったという方もいるのではないでしょうか。猫が布団にオシッコをする主な理由としては、以下の3点が考えられます。
トイレの場所や砂などに不満がある
トイレに問題がある場合は、トイレ環境の見直しや、トイレの居心地を改善することが重要です。使っているトイレの砂やトレーを最近変えたなど、何かしら心当たりがある場合はそこから見直していきましょう。
トイレ以外の場所が気に入ってしまった
もし布団が排泄する場所としてベストだと感じてしまった場合は、寝室など布団のある場所を立ち入り禁止にしましょう。それが難しいようなら、新しい布団やシーツに変えるのもおすすめです。
膀胱炎などの病気やケガ
排泄する際に足が痛そう、トイレが使いにくそうなどのしぐさが見られたら、ケガや関節炎などが原因でトイレが上手に使えていない可能性もあります。また頻繁にオシッコをする、尿の色がいつもと違うなどの症状が見られたら、膀胱炎などが理由でトイレが間に合わないケースも考えられます。
このほかに、ストレスを抱えている状態でも粗相を繰り返すことがあります。去勢手術を行っていないオスの場合、スプレー行為の可能性も考えられます。ただの粗相と軽く思わず、その原因を突き止めることが大切です。
布団のどこに寝るかでわかる!?猫のきもち
愛猫が布団で寝るとき、飼い主さんのどのあたりで寝ていますか?寝るときに選ぶ場所は、愛猫のそのときの「気分」に関係しているかもしれません。
飼い主さんの顔のすぐそば
飼い主さんの顔のすぐ近くで眠るのは、甘えん坊の猫。本来、動物にはそれぞれ他者に近付かれると不快なパーソナルスペースがありますが、くっつきあって寝るのは子猫時代の名残。つまり、飼い主さんのそばで子猫気分に浸っているのかも。
布団の中の、飼い主さんのわき腹のあたり
布団の中という空間に入ることに警戒心を抱かないおおらかなタイプともいえますが、寒がりであり、やはり甘えん坊であるといえるでしょう。
布団の上の、飼い主さんの股の間
股の間という、ある程度囲われた場所が好きな猫は、飼い主さんのそばであたたまりたいけれど、手は出されたくないと思っているのかも。
布団の上の、飼い主さんの足元
飼い主さんの股の間よりも、さらに距離を置いた場所。飼い主さんのそばであたたまりながら、何かあればすぐ逃げられる場所を選んでいる、自立した大人タイプの猫かもしれません。
さまざまなリスクが考えられるものの、愛猫と一緒に眠る時間は至福のとき。しかし、猫が一緒に寝てくれなくても、飼い主さんを信頼していないわけではありません。そもそも猫は単独で行動する生き物ですから、一緒に寝ない方が“猫らしい”のかもしれませんね。少なくとも、猫の圧死やケガのリスクには最大限注意して、愛猫の個性やペースを尊重し、これからも楽しい愛猫生活を送ってくださいね。
監修/加藤憲一先生(相模原プリモ動物医療センター院長)
文/kate
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。