感染症という恐ろしい病気から愛猫を守るために、飼い主さんには何ができるのでしょうか。『知ること・予防すること・発症させないこと』に着目し、症状から見る逆引き式の主な感染症5つとともに、それぞれにまつわる豆知識を厳選してご紹介します。
猫の感染症ってどんな病気?
感染症とは、ウイルスや菌、寄生虫などが猫に感染することで発症する病気のこと。感染後すぐに発症するものと、潜伏期間を経てから発症するものとがあり、主に感染猫の排泄物や唾液などとの接触が原因とされています。
病気の有無を知っておこう!
新たに子猫を迎え入れるときなどの飼い始めには、必ず動物病院で感染症チェックをしてもらいましょう。感染症によっては、ワクチンでほぼ100%防ぐことができるものもあります。なお、ワクチンは3・5・7種混合のものから、獣医師と相談しながら決定するのが一般的です。
ワクチンなどでしっかり予防しよう!
感染症には、ワクチンをうつことで重症化を防ぐことができたり、飼い主さんの心がけで発症リスクを抑えたりできるものもあります。愛猫の様子は普段からよく観察し、以下のような症状が出たら感染症の可能性を疑って早急に対処しましょう。
発熱や鼻水・くしゃみ、目ヤニ・結膜炎など
これらの症状は、『猫カゼ』の可能性があります。定期的にワクチンをうつことで予防できますが、免疫力に乏しい子猫がかかると視力などに後遺症が残ることもあり、最悪の場合、命を落とすなど重症化することもあります。
軽い発熱や下痢を経て、リンパ節の腫れや口内炎などに発展
『猫エイズウイルス感染症』が疑われます。発症したら完治することはできないものの、飼い主さん次第で上手に付き合っていくことも。感染しても、発症まで進まないケースもあります。
発熱やリンパ節の腫れ、貧血など
『猫白血病ウイルス感染症』かもしれません。この病気は、ワクチンをうっていても100%感染を防ぐことができない恐ろしい病気です。ただし、感染猫と接触するような機会がなければ防ぐことも可能。なお、成猫よりも子猫のほうが感染する確率が高いと言われています。
急激な発熱や嘔吐の繰り返し、大量の血便や下痢など
『猫汎白血球減少症』の可能性があります。感染力がとても強く、子猫の致死率はなんと90%以上とも言われています。免疫力が高ければ劇的に回復することもありますが、1週間耐えられなければ死に至ることも。外から帰った飼い主さんの服などにウイルスが付着していることもあるため、愛猫と触れ合う前には手洗いを徹底するなど意識しましょう。
食欲減退や高熱、異常行動や痙攣などの神経症状
現状では完治する方法がなく、謎の多い病気とされている『猫伝染性腹膜炎』の疑いあり。子猫のが感染すると、お腹や胸に水がたまる症状が見られるものの、猫自身には痛みがないため、飼い主さんが気付けないこともあります。症状に合わせた治療を早い段階で行えば、改善が見込めることもあるようです。
環境を整えて発症させないようにしよう!
一部の感染症の発症には、ストレスに起因するものもあるため、トイレは普段から清潔にしておき、フードや水は常に新鮮な状態で与えてください。室温は適温を保ち、適度な運動をさせるなど、健康的な生活環境を整えてあげることが大切です。
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉もあるように、感染症についての知識を持ち、愛猫の体調を知ることは、感染症対策においてとても大切です。飼い主さんの愛猫を想う気持ちと心構えで、怖い感染症から愛猫を守りましょう!
参考/「ねこのきもち」2016年5月号『ねこの5大感染症』(監修:東京猫医療センター院長 服部幸先生)
文/mieux
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。