飼い主さんが見逃しがちな「慢性ストレス」その症状は?
ポーカーフェイスで弱味を見せないところが猫ちゃんの魅力! でも、場合によっては、それが飼い主さんにとってマイナスに作用してしまうことも…。
猫ちゃんが最近「怒りっぽくなって、すぐ攻撃してくる」「体をしきりになめるけど…」と感じることはありませんか? それ、もしかしたら「慢性ストレス」のサインかもしれません。
症状がわかりやすい急性ストレスと違い、慢性ストレスの症状は飼い主さんでも見落としがちで、気づいた時には病気を発症しているケースもあります。
猫ちゃんの慢性ストレスの症状は次の通り。
猫の慢性ストレスの症状リスト
いかがですか?
愛猫に当てはまる症状はありませんか?
「慢性ストレス」の原因はこの5つ
イヤなこと・苦手なことが、終わることなく継続することで発症する猫ちゃんの慢性ストレス。どんな要因があるのでしょうか?
要因その1:飼い主さんにかまってもらえない
飼い主さんにベタベタな甘えっ子タイプは、かまってもらえないことがストレスに。一人暮らしで1匹飼いの場合や、一緒に過ごす時間が長かった長期休暇あとに、スキンシップ不足で起こります。猫ちゃんが甘えて来た時はなるべくかまってあげたり、一人でも遊べるおもちゃなどを用意しましょう。
要因その2:新しい猫を迎え入れる
縄張り意識の強い猫ちゃんにとって、新入りの登場は、安心できる空間が減り不安が高まります。新しい猫ちゃんを迎え入れた時は、しばらくケージや別の部屋で隔離し、先住猫ちゃんとの対面時間を徐々に増やしていきましょう。できるなら、トライアル期間をもうけるといいですね。
要因その3:同居猫との相性が悪い
人間と同じで、猫ちゃん同士にも相性が良い・悪いがあります。多頭飼いの場合、縄張り意識が強い猫同士だとどうしてもストレスが生じてしまいがち。過ごす空間を分ける、それが難しければ、食事や排泄スペースを分けるなどして、猫同士が顔をあまり合わせないような工夫をしましょう。
要因その4:引っ越し
「犬は人につき、猫は家につく」といわれるように、猫ちゃんは住み慣れた家が大好き。そのため、引っ越し先の新しい家ではストレスを感じてしまいます。新居への引っ越しと同時に猫ちゃんのトイレや食事皿なども新調したくなりますが、猫ちゃんのストレスを和らげるために、家以外は慣れたものをしばらくは使いましょう。
要因その5:お部屋の模様替え
変化を嫌う猫ちゃんにとって、トイレの場所が変わるだけでも不安を感じます。模様替えの際は、部屋のドアを開放して、猫ちゃんが安心できる場所にいつでも移動できるようにしておきましょう。模様替え後、おっかなびっくり愛猫がパトロールをしている時は、大きな音をたてずに見守ります。
環境の変化に弱いくせ、表情には出さず、ジッとストレスに耐えてしまうところもいじらしい猫ちゃん。でも、飼い主さんが気づいた時には、皮膚炎や膀胱炎、胃腸炎などの病気を発症してしまうこともあります。愛猫のストレス要因と解消方法を知っておきましょう。
出典元/「ねこのきもち」2016年8月号『猫のクオリティーオブライフを尊重するために知っておこう!』
監修/小野寺温先生(帝京科学大学助教。動物看護師)
イラスト/内田尚子
文/ヤマモト トモミ
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。