猫がかかる目の病気は、早期に見つけて治療を開始することで症状が改善されるものがほとんどです。今回は猫カゼによって併発することもある猫の代表的な目の病気、結膜炎と角膜炎の症状や原因、症例を解説します。
結膜炎と角膜炎ってどんな病気?
結膜炎
まぶたの裏の粘膜と白目の部分に炎症が起こることを結膜炎と呼びます。この結膜炎の多くは猫カゼなどのウイルス性の病気によって起こり、結膜が赤く腫れたりむくんだり、目ヤニや涙が止まらなくなるのが特徴です。また、まぶたの裏側と白目は常に密着していますので、ふたつの部分が影響し合って同時に炎症が起こる場合もあります。
角膜炎
目の表面を覆う透明な膜のことを角膜といい、この角膜に炎症が起こることを角膜炎や角膜潰瘍と呼びます。ほかの猫との喧嘩などによる外傷が原因で発症し、症状としては痛みが強く目を開けにくそうにしていたり、涙を流したり、目をショボショボさせるといったものが多いです。また、角膜が白くなるケースや、猫カゼの影響で結膜炎と併発するケースも。
結膜炎と角膜炎の症例
2ヶ月前から目を開けにくそうにしていた
猫が目を開けにくそうに細めることや、ショボショボさせることが増えたときには、目が腫れている、あるいは痛みやまぶしさを感じている可能性が高いです。2ヶ月前から目を開けにくそうにしていたある猫は、涙が大量に出ていたことから両目ともに結膜炎と診断され、点眼薬による治療を開始。その後、結膜炎の症状は改善されました。
重度の結膜炎で涙が止まらなくなった
結膜や角膜に炎症が起こると、目を守ろうとして片方の目あるいは両方の目から涙があふれ出すことがあります。重度の結膜炎を発症した猫のケースでは、左目から涙が止まらなくなり目を開けにくくなってしまったため、目薬に加え注射による全身療法を行いました。その結果、4日後には症状が回復したのだそうです。
目ヤニと涙が出続けて目のフチが充血した
炎症や出血が見られ目が充血しているときには、周囲の皮膚が赤くなったり白目全体に血管が浮き出たり、目の一部が赤くなりがちです。左右で瞳の色が違うオッドアイのある猫は、目ヤニや涙が出続けて目のフチが充血してしまいましたが、点眼薬による治療を行ったことで症状が改善されました。
目ヤニが大量に出て目の周りが汚れてしまった
結膜炎や角膜炎によって大量に出る目ヤニのなかには、ドロッとしたものや黄色いもの、血の混じった赤いものが存在します。これらの目ヤニが乾いてしまうと、やがて目が開かなくなることも。
前日に保護され、鼻水やくしゃみの症状とともに両目から目ヤニが大量に出ていた子猫は、点眼薬のほかに注射による全身療法も行ったことで症状がおさまりました。また、目ヤニによって目の周りが茶色く汚れ、両目ともに涙があふれて鼻も黒く汚れてしまっていた猫のケースでも、点眼薬による治療が効果的だったようです。
少しでもおかしいと感じたら早めに動物病院を受診しよう
結膜炎や角膜炎などの病気から愛猫を守るためには、毎日の健康チェックと早期発見が欠かせません。朝起きたときに白目や目のフチが充血していないか、色の付いた目ヤニやドロッとした目ヤニ、涙が大量に出ていないか、目を開けにくそうにしていないかなどをしっかりとチェックすることが大切です。もしいつもと違う様子が見られたり、少しでもおかしいと感じたりしたら、早めに動物病院を受診するようにしてください。
参考/「ねこのきもち」2018年2月号『症例写真でよくわかる!猫がかかりやすい目の病気』(監修:獣医師 獣医学博士 江島博康先生)
文/子狸ぼん
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。