愛猫との距離をもっと縮めたくてナデナデしたとき、「ん?あまり嬉しそうじゃない?」となってしまったら悲しいですよね。猫はとてもデリケート。ただ撫でればよい、というわけではないのです。そこで今回は、猫もウットリの上手な撫で方について考えます。
「スキンシップは自分主導!」猫の性質を理解する
愛くるしい表情、モフモフの毛並みを見たら、思わず撫でたくなるのは猫好きの証。しかし、猫はむやみに撫でると「もうやめて!」とばかりに逃走してしまうことも少なくありません。猫はいつでも「自分主導」。飼い主とのコミュニケーションやスキンシップタイムも、あくまでも自分の気分で決めます。
したがって、強引に抱き上げて膝に乗せる、というのもNGです。「猫が嫌がることをしない」を基本に、猫の方からそばに寄ってきたときにたっぷりと愛情を注いであげるのがよいでしょう。
猫が撫でられたい部位
猫を撫でる場合、どこでも構わず触ってよいというわけではありません。猫が触れられて心地よい部位を見極めましょう。個体差はありますが、一般的とされる「触られて嬉しい部位・嫌な部位」を以下に分類しました。これらを参考に猫の様子を丁寧に観察しながら、上手な撫で方を研究してみてはいかがでしょうか。
撫でられると嬉しいところ
主に顔周りから背中にかけてのゾーン。猫はよく人や物に体をこすりつけてニオイをつけますが、この「こすりつける部位」は触られても気持ちがよいと感じるようです。
撫でられると嫌なところ
足先やしっぽの先など、神経が密集している敏感な部位は、触られるのを嫌がることが多いでしょう。
猫もウットリ、上手な撫で方
猫が撫でられて喜ぶ部位の“王道”は、やはり顔周り。となると、撫で方についても研究したくなりますよね。以下のようなタッチを猫は好む傾向にあります。
頬
ヒゲの付け根から生えている方向へ、指の腹や手の甲を使って優しくナデナデ。
あごの下
口のすぐ下から喉の方へ、毛流れに沿って指先を使いソフトタッチで撫でましょう。
耳周り
手でふんわりと耳全体を包み込み、耳の付け根周辺を指で優しく揉みます。
額
眉間から額にかけて、指の腹でそっと撫でましょう。また、円を描くようにして額を広くゆっくり撫でられるのも気持ちがいいようです。
上記のように猫好みの撫で方をしていても、途中で「耳が後ろに反る」「閉じていた目を開く」「しっぽを振り始める」「噛む」といった様子を見せたら、これは「もうやめていいよ」のサイン。無理に撫で続けず、そっと見守りましょう。
心通うスキンシップで猫との信頼関係を深めて
「撫でる」というスキンシップは猫への愛情表現のひとつ。「撫でるときに手が冷たいようなら温めてから撫でる」「優しくゆっくり撫でることを忘れないようにする」など、きめ細やかな配慮をすることで、猫が安心してさらに心を開いてくれるようになったら嬉しいですよね。猫の性質をよく理解し、かけがえのない家族の一員として信頼関係を深められたら、それはとても素敵なことなのではないでしょうか。
参考/「ねこのきもち」2016年12月号『今よりもっと仲よく、“懇ろ”に にゃんごろスキンシップ』(監修:モノカどうぶつ病院院長 小林清佳先生)
文/なかたり
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。