猫への愛情表現のつもりで手を伸ばしたら、なんとカプッと噛まれてしまった!という経験はありませんか?それはもしかしたら、猫の性質を十分に理解していなかったからかもしれません。そこで今回は、猫の「噛む」について、その理由や対処法を解説します。
まず理解!猫の基本的な性質
猫は基本的に、自分本位の「気分屋」な性質。拘束されることを嫌います。そのため、自分がかまわれたくないタイミングで触られると不快になり、逃げたり攻撃したりする傾向があります。
シーン別・噛まれやすい状況と前兆、防止策
それでは、どのようなときに噛まれてしまうのか、シーン別に「噛む前兆」「噛まれないためにどうすべきか」を見ていきます。猫と触れ合っていて次の前兆が見られた場合は、速やかに解放するようにしましょう。また、日頃から飼い主が猫の本質をよく理解して接することがとても大切です。
スキンシップ
撫でる力が強すぎる、触られたくないところを触られる、また、不安定な抱き方をされた場合等に不快感を覚えて噛むことがあります。
【こんなしぐさは、噛む前兆】
・撫でていると、しっぽをパタパタと動かし始める
・抱っこしていたら身をよじらせて逃げようとする
【噛まれないためにどうすべき?】
・指先を使ってソフトタッチで撫でる
・猫が好む部位(おでこや後頭部、鼻筋、あご周りなど)を撫でる
・抱っこは四肢と下半身を安定させ、飼い主の体と密着させる
お手入れ
猫は警戒心が強く、長時間の拘束や、どこを触られるのかわからないお手入れは不安になるため、苦手なことが多いようです。
【こんなしぐさは、噛む前兆】
・体がこわばり、耳が外向きになる
【噛まれないためにどうすべき?】
・猫が触られるのが苦手な場所に普段から少しずつ触れ、慣れさせる
・お手入れ中に他のことで気をそらせたり、お手入れ時間を短縮したりする
遊びの最中
猫じゃらし系のおもちゃでジャンプやダッシュして遊んでいるうちに、興奮しすぎて野性が目覚め、飼い主めがけて襲いかかってしまうケースもあります。
【こんなしぐさは、噛む前兆】
・鼻が紅潮して鼻息が荒くなり、周りが見えないほどおもちゃを追い始める
【噛まれないためにどうすべき?】
・遊ぶときはおもちゃを使い、飼い主の手指で遊ばせないようにする
・おもちゃの紐を長くして、猫と飼い主との距離を十分とれるようにする
その他 猫からの不意打ち等
猫は素早い動きに反応し、”狩りモード”に入りやすい生き物です。飼い主が急ぎ足で近くを通ったときなど、獲物と判断して噛みつくこともあります。また、家の中では刺激が足りず、退屈なのを理由に攻撃してくる場合も。このケースは前兆を見極めることが難しいため、普段から以下の点に注意してみましょう。
【噛まれないためにどうすべき?】
・猫の周囲ではゆっくりと行動する
・ストレスがたまらないよう、1日最低3回は遊びの時間を作る
猫とのより深い信頼関係のために
今回は、猫が人を噛む理由や、未然に防ぐ方法等についてご紹介しました。猫の野性的な性質を理解して上手に接することで、飼い主にも猫にも過剰なストレスがかかることを防げるでしょう。
大切な愛猫とのより深い信頼関係を築くために、これからも適切な距離感とあたたかな思いやりをもって共に暮らしていきたいですね。
参考/「ねこのきもち」2017年3月号『シーン別にサインと予防策を紹介! 噛む・引っ搔く される前にできること』(監修:もみの木動物病院副院長 日本獣医動物行動研究会 幹事 行動学コンサルタント 村田香織先生)
文/なかたり
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。