たくさんの物が置いてある場所でも、しなやかな足運びでさっそうと歩く猫。なぜ猫は、障害物が多い場所でもスムーズに歩けるのでしょうか。
今回は、猫が足元を見ずに障害物を避けて歩ける理由について、哺乳動物学者の今泉忠明先生にお話を伺いました。
一瞬で数メートル先までの状況を記憶している
猫は狩りをする際、狙った獲物から目を離さずに忍び寄ります。このとき、枯れ枝などを踏んで音を立ててしまうと、獲物に気付かれて狩りが失敗してしまうかもしれません。そうならないよう、猫は数メートル先までの足元の状況を一瞬で記憶し、障害物を避けて歩く能力をもっているのです。
前足の触毛で障害物を感知している
猫の前足の内側には、数本の太く長い毛が生えています。この毛には顔の触毛(ヒゲ)と同じく、敏感なセンサーのような役割があり、猫はこの触毛でわずかな空気の流れを察知することで、障害物の有無や障害物からの距離を把握できるのではないかと考えられています。
猫は“単独のハンター”として高い身体能力をもつ動物
足元を見ずに障害物を避けられるのはもちろん、足音を立てずに歩いたり、細いところでもバランスよく速く歩いたりと、猫は非常に華麗な“足運び”ができる動物。歩き方ひとつとっても、猫の身体能力がとても優れていることがわかります。
なお、世界中で進化したネコ科動物はみな、ほぼ共通の特徴が見られます。つまり、猫の体は“単独のハンター”として極限まで能力を磨き上げた完成形であるといえるでしょう。
静かで、しなやかで、そつがなく、華麗な猫の歩き方。足元を見ずに障害物を避けられるなど、驚きの能力を秘めているのは、猫が“単独のハンター”として優れた動物であることと深く関係しているのですね。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2023年5月号『華麗な“足運び”の秘密に迫る ここがスゴイ!猫の歩き方』
文/寺井さとこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
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