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猫のウイルス感染症の症状・治療法は? 話題の「SFTS」についても解説

猫カゼや猫エイズなど、よく耳にする猫の病気はウイルスが病原。一般的にウイルスは抗生物質が効かず、完全に取り除く治療法がないことも多いため、感染を未然に防ぐことが重要です。

今回は獣医師の重本仁先生に、代表的な猫のウイルス感染症について教えていたただきました。

猫ウイルス性鼻気管炎

舌を出す猫
Photo by Getty Images
猫ヘルペスウイルスによる感染症。子猫期に母猫から感染することが多く、くしゃみや鼻水、目ヤニ、重症化すると角膜炎や視力障害などの症状が出ることもあります。

一度かかるとウイルスは体内に残り続け、ストレスなどをきっかけに再発することも。目や鼻の症状を改善する治療を中心に行い、体の回復を促します。

猫カリシウイルス感染症

目を細める猫
Photo by Getty Images
猫ウイルス性鼻気管炎とあわせて「猫カゼ」といわれる感染症ですが、くしゃみや鼻水などの症状に加えて口内炎や激しいよだれ、口の痛みによる食欲低下が見られます。まれに重症化すると、急激に悪化して命に関わることも。

治療は痛みを抑えて食事がとれるようにするための鎮痛治療や、補液などによる対症療法が中心です。

猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)

ラグの上でくつろぐ猫
Photo by Getty Images
猫免疫不全ウイルス(FIV)による感染症で、罹患してすぐに症状が出ることは少なく、数年〜10年以上無症状のことも。

発症すると徐々に免疫機能が失われ、口内炎や鼻炎、体重減少などが見られ衰弱します。免疫低下によりほかの病気も発症しやすくなり、治療は必要に応じて抗菌薬の投与などが行われます。

FIP(猫伝染性腹膜炎)

寄り添う2匹の猫
Photo by Getty Images
多くの猫が保有するといわれる猫コロナウイルスが、突然変異することで発症します。全身に強い炎症が起こり、猫によって胸水や腹水がたまるウェット型、臓器にしこりのようなものができるドライ型などの症状が見られます。

近年、投薬治療による回復の可能性が見出されていますが、早期発見が難しく、未治療では命に関わる病気です。
※実際の治療は動物病院によって異なる場合があるので、まずはかかりつけ医に相談を。

猫白血病ウイルス感染症

ブランケットの上に佇む白猫
Photo by Getty Images
感染しても免疫によりウイルスが排除される場合もありますが、体内に残り続けると免疫の抑制や骨髄障害が起こり、白血病やリンパ腫といった血液のがんが発生しやすくなります。

輸血が必要なほど重症化することも多く、命に関わる病気ですが、ウイルスを完全に排除する治療法は確立されていません。

猫汎白血球減少症

一点を見つめる猫
Photo by Getty Images
猫パルボウイルスによる感染症。腸粘膜や骨髄などの細胞が破壊されることにより、激しい嘔吐や下痢、重度の脱水、白血病の減少を引き起こします。進行が非常に速いのが特徴で、とくに子猫では短期間で命を落とすことも。

治療は点滴による脱水症状へのケアを中心に、各症状に対する対症療法が行われます。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

獣医師に抱っこされる猫
Photo by Getty Images
おもにマダニが媒介するSFTSウイルスによるもので、発熱や元気消失、下痢や嘔吐などの症状が。猫が感染すると、急激な全身症状を示すことが多い病気です。猫も人も感染しうる「人獣共通感染症」のひとつで、致死率は人で10〜30%、猫ではなんと60%といわれています。

近年では国内各地で猫や人の感染報告が増えており、極めて危険なウイルスとして注目度が高まっていますが、特効薬はなく、治療は点滴などの対症療法が中心です。
比較的症状が軽いものから、命に関わるものまで多岐にわたる感染症。定期的なワクチン接種や外猫との接触防止対策などを徹底し、愛猫の健康を守りましょう。
お話を伺った先生/重本仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/「ねこのきもち」2026年4月号『話題の「SFTS」についても。猫とウイルス感染症』
文/柏田ゆき
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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