愛猫のために快適な室内環境を整え、適切なお世話をしていても、日々のストレスが猫の気分を下げてしまうことはあります。猫のストレスを最小限にするために、飼い主さんはどうすればいいのでしょうか。
今回は、猫の気分を下げないためにできる生活の工夫について、愛玩動物看護師の小野寺温先生に教えていただきました。
猫の気分が下がっているときのサインって?
猫の気分が下がっているときは、何かに怯えているときや隠れたいときに見せる、防御の体勢をしています。全身に力を入れて縮こまり、引いた体勢で自分を小さく見せようとするのです。また、追い詰められて攻撃モードになると、逆に体を大きく見せて前のめりな傾向に。ほかにも、次のようなサインがあらわれます。
- 耳が反っている・寝ている
- 体がこわばる
- 目が吊り上がって見え、怯えると黒目がちになる
- ヒゲが後ろに反りがちに
- しっぽを体に巻きつけたり、床にたたきつけたりする
大切なのは、猫がストレスを感じても、できるだけ気分が下がらないようにしてあげること。飼い主さんができる6つのポイントを紹介します。
(1) 猫が隠れられる場所を用意する
猫が何かに怯えてしまったときに、逃げたり隠れたりできる安全地帯があるようにしておきましょう。周りを囲まれた猫ハウスのほか、部屋の隅や家具の下などでもOKです。怯えて気分が下がっても、ここに逃げ込むことで安心し、気分を回復できるでしょう。
(2) 環境の変化は少しずつ
猫は大きな環境の変化が苦手で、“いつもと同じ”状態が落ち着きます。猫まわりの環境が変わるときや新しいものを取り入れるときは、一気にがらりと変えてしまわず、たとえば模様替えなら「今日はこの棚だけ動かす」など、少しずつ時間を変えていきましょう。
(3) ニオイが強いものは使わない
猫は人の約10万倍ともいわれる鋭い嗅覚をもち、周囲のニオイから情報を集めて安全を確認しています。香りの強いものがあると必要なニオイがわかりにくくなり、猫の気分が下がる原因に。猫がいる空間では、アロマや香水などの強い香りは避けましょう。
なお、猫が“すりすり”(マーキング)をしてニオイつけをした場所は、できるだけ拭き取らずニオイを残しておくと、猫は安心して過ごせますよ。
(4) 予測できるストレスは遠ざけて
来客が苦手な猫なら来客が入らない部屋で過ごさせる、ドライヤーの音を怖がるなら離れた場所でドライヤーを使うなど、飼い主さんの心がけで愛猫のストレスを軽減できることも。愛猫ファーストで、先回りの心配りをすることが大切です。
(5) 苦手なお手入れは短時間×頻回に
苦手なお手入れで体を拘束され、自由を奪われることは、猫にとって大きなストレス。できるだけ短時間で切り上げ、こまめに行なって慣れさせて。頑張ったあとはおやつなどのごほうびを与えると、気分が下がりにくくなります。
(6) 飼い主さんからの一方的なコミュニケーションもNG
猫の目をじっと見つめたり、無理やり抱っこしたり……。一方的なコミュニケーションで愛猫に迫ると、気分を下げてしまうことも。基本的には愛猫から甘えてきたときにスキンシップをとるのが、ゴキゲンでいてもらうコツです。飼い主さんのほうからコンタクトをとるときは、リラックスしているときに声掛けをしてからそっと触れるなど、愛猫の気分をうかがって。
飼い主さんのちょっとした心がけで、猫のストレスを軽減してあげられます。愛猫にいつもゴキゲンでいてもらうために、ぜひ意識してみてくださいね。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学講師 愛玩動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2026年5月号『いつもゴキゲン♪でいてほしいから 愛猫が気分よく暮らすために飼い主さんができること』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。