猫と暮らす
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地震などの異常事態が発生したとき、猫はどんな行動をとりがち?
「異常事態が起こると、猫はどんな行動をとる傾向にあるのか」
「屋内外で、どんなところに隠れやすいのか」
「地震などに備えて、愛猫のために日頃からできることはなにか」
など、気になることはたくさん!
いざというときのために知っておきたい猫の行動の傾向と、飼い主さんができることを、ねこのきもち獣医師相談室の先生にくわしく解説してもらいました。
地震などの異常事態が発生したときの猫の行動
家の中にいても、地震のときに猫が外に逃げ出してしまうワケ
とくに家屋の中にいる場合には、その振動によって家全体がきしむ音がしたり、高いところのものが落ちる音や衝撃があったり、実際に家具が倒れたりなど、動物が恐怖を感じる刺激がさらに多くなる傾向があります。
そのため、それらの刺激から遠ざかろうとして、結果的に屋外に出てしまっているのかもしれません。
猫自身の意思として外に出たくて出ているのではなく、「怖い」と感じた室内の刺激から遠ざかるために本能的に行動し、結果的に屋外に出てしまった状況なのだと考えられます。
地震などの異常事態の際、猫はどんなところに隠れがち?
一方で、気持ちを落ち着かせたいときには、押し入れやテレビの裏、段ボール箱など、人の目線が届きにくい、奥まった狭い場所を選びがちな傾向があります。
とくに強いストレスを感じたり、大きな物音など猫にとって不快な刺激を感じた際には、奥まった狭い場所に引きこもり、しばらく出てこないことも。
そのことから、たとえば地震のような不測の災害によって非常に怯えてしまった際には、奥まった狭い場所に逃げ込んで、しばらくじっとして出てこない可能性が考えられます。
家の中に隠れる場合、どんな場所にいるケースが多い?
平常時であれば、そのような隠れ場所は押し入れの中やベッド、ソファなどの家具の下の隙間などが考えられます。
また、稀にフタが開いている洗濯機の中に好んで隠れる猫もいるため、日常的に注意が必要です。
地震などの非常事態で隠れやすい場所
一般に、猫は頭の幅が通るところであれば、通り抜けることができる体の仕組みになっています。
そのため、転倒した家具の隙間や開いた戸棚の中、飛び出した引き出しの奥など、想像を超えるような狭い場所に隠れてしまう可能性もあります。
災害後にまだ猫が見つかっていない間は、家具を片付ける際にも隙間や奥を慎重に確認しながら行うほうが無難でしょう。
怖い思いをした家には帰らない猫も……
なお、逃げた際に屋外に出てしまった猫については、怖い思いをした家には戻らずそのまま外に居続けたり、行方が分からなくなることもありますので注意が必要です。
さらに、その異常事態の恐怖から一時的に攻撃的になったり、逆に不安感から人のそばから離れなくなったり、人の後を追ってずっと鳴き続けるなど、行動の変化が見られることも。
また、ストレスからの多食や食欲不振、嘔吐や下痢などの消化器症状を起こすこともあります。
地震などの異常事態の際に、飼い主さんができること
なお、地震の際には外に飛び出してしまう猫もいます。あらかじめ「迷子札」、もしくは連絡先を直接記載してある首輪をつける習慣を持ったり、マイクロチップを装着するなど、万が一の際に捜索しやすくする工夫についても配慮してみてください。
日頃からの習慣が、緊急時にも役立つ!
猫が「ケージは安心できる場所」と理解していると、緊急時にケージを「隠れ場所」として身を隠す行動も、ある程度は期待できます。
地震の際にできることをすることも大切ですが、地震の前から、万一の状況に備えて準備できることも少なくありません。
日頃から環境や習慣などの工夫を、できる範囲で少しずつ対応しておくほうがより安心でしょう。
もしものために、ぜひ覚えておいて、参考にしてみてくださいね!
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/凜香
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