猫の健康診断のなかでも、血液検査となるとどうしてもハードルが高いと感じる飼い主さんも多いのではないでしょうか。しかし、定期的に血液検査を受けることは、愛猫の健やかな成長にとって、とても大切なことなのです。ここでは、血液検査の必要性について解説します。
血液検査が必要な理由って?
それでは、なぜ定期的に血液検査を受けなければならないのでしょうか?血液検査の必要性に疑問を持つ飼い主さんの声にお答えします。
病気が疑われたら受ければいいのでは?
猫は警戒心が強く、弱みを見せない習性があります。症状が表面化する頃には病気が進行していてすでに手遅れということも。元気そうに見えていても血液検査を怠ってはいけません。
ストレスがかかってかわいそう!
血液検査を受けずに病気の発見が遅れると、その病気が重症化してしまう可能性が。そのときの猫の負担がどれほどのものかは、一時の血液検査と比べるまでもありませんね。早期発見できたほうが猫へのストレスは圧倒的に少ないといえるでしょう。
全ての病気が発見できないなら無駄なのでは?
もちろん、血液検査は万能ではないかもしれませんが、それでも発見できる病気はたくさんあります。全身と各臓器の健康状態を把握することができ、猫がかかりやすいといわれている病気の多くを発見することができるのです。
もう少し高齢になってからでも…
病気の可能性は若い頃から潜んでいます。生後7ヶ月から定期的に受けることが理想とされていますが、頻度としては1年に1度、7才以上のシニア猫は半年に1度の血液検査がおすすめです。
ワクチンを打っていれば必要ないのでは?
ワクチン接種で防げる病気は、特定の感染症のみ。それ以外には効果がなく、他の病気が心配です。そのため、病気の予防と早期発見には血液検査が必要なのです。
血液検査でどんな病気がわかるの?
一般的な血液検査は2種類あり、それぞれ発見できる病気が異なります。
血球計算(CBC)
赤血球、白血球、及び血小板を調べる血球計算では、貧血や脱水、感染、炎症などの症状の有無がわかります。生まれつき血小板が少ないといったことや、骨髄機能が未熟であるといったことがわかるため、万一のときにも早期に対策できるでしょう。
血液科学検査
血しょうを調べる血液科学検査では、腎臓や肝臓など臓器の異常や糖尿病などが発見できます。慢性腎臓病といった完治が困難な病気が判明することもありますが、そのおかげで、できる限り進行を抑えるように治療することが可能です。
血液検査は定期的に受けよう!
血液検査は不調を調べるものだと思っていた飼い主さんも多いかもしれません。しかし、前述の通り、本来は健康なときにこそ行い、愛猫の健康状態を総合的に知るためのもの。過去のデータと比較して、不調がないかどうかを確認することに意味があるのです。
愛猫の健康を守るため、自宅での日々のチェックに加え、定期的に動物病院に行き、血液検査を受けるように心がけましょう。
参考/「ねこのきもち」2018年4月号『動物病院でできるチェック どうして必要?結果の見方は? 血液検査がわかる!』(監修:王子ペットクリニック院長 重本仁先生)
文/mieux
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。