本来、単独行動をする猫は警戒心が強くなりがち。しかし飼い猫の場合は、飼い主さんをまるで母猫のように慕って甘えてくることも。そんな愛猫は、いろいろなしぐさで愛情を伝えてくれます。
今回は、「すりすり」のしぐさに込められた猫の気持ちを解説します。
「すりすり」ってどういうしぐさのこと?
猫は、さまざまなシチュエーションで自分のニオイを利用します。「すりすり」のしぐさもそのひとつ。すりすりの一番の目的は、ニオイをつけることで、自分の存在を周りに示すことです。
人に対してすりすりするのは、「ここにいるよ」というアピールの手段なのだとか。また、猫が自分自身のニオイに囲まれて安心感を得る目的もあるようです。
いつすりすりをしてくる?
飼い主さんがくつろいでいるとき
飼い主さんと一緒に暮らしている猫は、普段から飼い主さんの生活の様子をよく観察しています。そのため、飼い主さんにいつ甘えたら相手をしてくれるのかを、よくわかっていることが考えられます。
飼い主さんが一通りの家事を終えたり、仕事を終えてくつろいだりしたタイミングを見計らってすりすりしてくるのは、「今なら相手をしてくれる」と考え、自分の存在をアピールしにくるのでしょう。
飼い主さんが帰宅したとき
外から帰ってきた飼い主さんには、いろいろなニオイがついているもの。猫は、普段嗅いだことのないニオイを楽しみつつも、やはり自分のニオイをこすりつけることで安心したいのでしょう。
これは、外出する機会が多い家庭の猫に多く見られる行動です。
どんなふうにすりすりしてくる?
すりすりの仕方にもいろいろあります。とくに、猫が自分の顔周りをこすりつけてくるのは、その分ニオイをしっかりつけたいと思っているためなのだとか。
全身に臭腺がある猫ですが、そのなかでも、顔周りにはとくに臭腺が集中しています。臭腺の多い部位である顔をこすりつけることでニオイをしっかりつけ、飼い主さんのことを「自分のもの♡」とアピールしているのでしょう。
飼い主さん以外にもすりすりをする!?
猫は、飼い主さん以外にもすりすりをすることがあります。これは、複数飼いの家で見られるケースが多いようです。ほかの猫との関係性によっては、猫は飼い主さんにすり寄って行けず、離れた別のものに遠慮がちにすりすりすることで飼い主さんへアピールしているのだとか。
すりすりする対象は違っても、飼い主さんへの愛情表現であることが多いでしょう。
警戒心が強いといわれる猫ですが、一緒に暮らしていると猫なりに愛情表現をしてくれているのがわかります。
そんな愛猫たちからのサインをしっかりと受け止めてあげたいですね♪
参考/「ねこのきもち」2018年6月号『愛情表現のしぐさが丸わかり 毎日は猫からのNyamore(ニャモーレ)に溢れてる!』(監修:獣医師 獣医行動診療科認定医 ペット行動カウンセラー 藤井仁美先生)
文/kate
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。