猫を飼っていて、「このコ、こんなことも覚えているの…?」と、その記憶力にビックリした経験はありませんか? 実際、どれぐらいの記憶力があるのか、気になりますよね。
そこでこの記事では、飼い主さんから「ねこのきもち」に寄せられたエピソードをもとに、猫の記憶力について解説します!
臆病な猫が、久しぶりに帰省した娘に近寄っていく
猫のかりんちゃんの飼い主さん(Y・Sさん)から寄せられたエピソード。来客のときはすぐに逃げて、絶対に出てこないほど臆病な性格のかりんちゃん。
だけどかりんちゃんは、年に数回しか会わない娘さんのことはしっかりと覚えているようで、一緒に住む家族と同じように甘えたりするんだそう!
【解説】猫は、過去の出来事から学習することができる
猫に記憶力があるように見えるのは、過去の経験から「何が自分にとってイイコトかイヤなコトか」を学習しているから。
かりんちゃんの場合、「娘さんと一緒にいると楽しい」と覚えていたのでしょう。
猫の学習能力は高く、たった一度の経験からでも学習し、しかもそれを長い間覚えておくことができるようです。
とくに「負」の経験は長く覚えていることも……!
動物全般にいえることですが、強烈にイイコトやイヤなコトの記憶は、長い間忘れないそう。それは野生時代に身の危険や安全を判断するため、そうした記憶を頼りにしていたから。
とくにイヤな記憶は、生き延びるための重要な出来事である場合が多いので、より強く記憶する傾向があるそうです。
【おまけ】猫の記憶力にまつわる豆知識
ほかにも、猫の記憶力にまつわる興味深い情報をお届け♪
① 猫は言葉を理解できる!
ある研究によると、ボーダーコリーという犬種が「ものの名前を1000個覚えた」という実験結果が報告されています。
最近の研究では、「猫も犬と同じくらいの知能がある」と考えられているので、猫も人の言葉の違いを理解し、覚えていられるのではないかと考えられているのだそう。
② 人と同じように、猫にも「思い出」がある!
人は、特別に覚えようとしないことも覚えていて、あとでその記憶を自由に思い出すことができますよね。
じつは最近の研究から、猫も人と同じように1回きりの経験の「思い出」をもっていること、その記憶を自発的に思い出して利用していることが明らかに!
猫はとても高い学習能力があり、人と同じように思い出を持っているようです。愛猫が飼い主さんとの楽しい出来事を思い出としてもっていたら、嬉しいですよね♪
参考/「ねこのきもち」2017年1月号『飽きっぽく、忘れっぽく、気ままに見えても… 猫にも集中力 記憶力 判断力ってあるみたい!』(監修:京都大学大学院文学研究科教授 藤田和生先生)
イラスト/ベスヨシコ
文/雨宮カイ