猫を飼っていれば、健康に関する心配ごともあると思います。自分で解決できることもあれば、原因がわからないこともあるでしょう。今回は、飼い主さんの猫の健康に関する心配なことやこんなときどうしたらいいの?といった疑問を、獣医師相談室の先生に解説してもらいました。
わき腹にしこりが!ワクチン接種が原因でしょうか?
飼い主さんが心配しているのは、「ワクチン関連性(誘発性)肉腫」と呼ばれる、ワクチン接種などが原因で発生する腫瘍のことでしょう。
ワクチンは後ろ足に打つことが多いです。そのため、わき腹にできたしこりであれば、ワクチン接種が原因の可能性は低くなります。
しかし、原因に関わらずしこりについて調べる必要があります。早めに動物病院で細胞の検査をしましょう。
便秘ぎみの愛猫にできることはありますか?
便秘は重症化すると大きな病気の原因にもなりますし、猫にとっても辛いものです。そのため、早めに対策をしてあげましょう。
まず、便秘ぎみの猫は水分不足のことが多いため、水分を摂るように促します。水が飲める場所を増やしたり、ウェットフードを取り入れるなど工夫してみてください。
また、動物病院で、便通を促す療法食やサプリメント、お薬を処方してもらうこともできます。心配なときは、かかりつけの動物病院で相談してみてくださいね。
子猫を迎えたら先住猫が血尿をするようになってしまいました!
おそらく、子猫がやってきたことがストレスになり、膀胱炎を発症したのでしょう。そんなときは、子猫のいる生活に慣れるまで、先住猫が落ち着いて過ごせる場所を用意してあげて。1日に数時間は、子猫と先住猫を別々の部屋で過ごさせるなど、少しずつ慣れさせるようにしていきましょう。
ただし、血尿の原因はストレス以外にもあります。細菌感染や尿石症など病気が原因のこともあるので、まずは動物病院で尿検査や処置を受けるようにしましょう。
「なんでだろう」「どうしてかな?」など一人で悩まず、心配なことがあるときは、かかりつけの動物病院に連れて行ったり、獣医師の先生に相談したりしてくださいね。早めの治療をこころがけて、大切な愛猫の健康を守っていきましょう。
参考/「ねこのきもち」2018年11月号別冊『ねこのきもち獣医師相談室Q&Aブック』(監修:ねこのきもち獣医師相談室)
イラスト/松林今日子
文/ishikawa_A