猫と暮らす
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うっかり一口でも危険! 猫が食べてはいけない「人の食べ物」って?
そんな経験がある飼い主さんもいるのでは? 食べたものによっては、猫の体に害があるかもしれないので心配ですよね。
今回は、「ねこのきもち」に寄せられた経験談を元に、その猫が食べた物が大丈夫かどうかを、高円寺アニマルクリニック院長・高崎一哉先生がチェックします!
①牛乳
(岩手県 S・Oさん 愛猫・かりんくん<オス・10才/ヒマラヤン>
「朝食の準備のためキッチンにいる間に、テーブルに置いてあった牛乳を、かりんが3回程舐めてしまいました。
ごく少量だったので、とくに受診もせず様子を見ていたのですが、その後排泄をした便が少しゆるめに。以降、異変はありません」
先生のジャッジは……「△」
また、牛乳はカルシウムが豊富なので、与えすぎると尿石症などの病気になるリスクも。与える場合も、日に50mlまでにとどめて」(高崎)
②おせんべい
(栃木県 J・Hさん 愛猫・みーちゃん<メス・11才>)
「私が食べこぼした5mm角くらいの醤油味のおせんべいを口にしてしまった、みーちゃん。その後、異変は見られませんでしたが、おせんべいの袋を開封する音で近づいてくるように。
その姿はかわいいですが、与えるのはガマンしています」
先生のジャッジは……「×」
おせんべいは塩分も多いので、腎臓にも負担がかかります」(高崎)
③シュウマイ
(栃木県 Sさん 愛猫・ルナちゃん<メス・2才>)
「食事で余ったシュウマイを、ほかの片付けをしている最中に、ルナが丸々1個食べてしまいました。しばらくしてから、2回立て続けに嘔吐。
嘔吐物を見ると、胃液と消化中のシュウマイでした。嘔吐後は、ふだんより水をたくさん飲んでいました」
先生のジャッジは……「×」
また、シュウマイに含まれる玉ねぎは加熱しても猫には有害なので、絶対口にさせないで」(高崎)
ねぎ類には、貧血や血尿を引き起こす成分が!
この成分は、調理しても無害にはなりません。そのため、これらの食材が含まれる加工食品にも注意が必要に。
④生の豚肉
(秋田県 Nさん 愛猫・チマくん<オス・当時3才>)
「料理をするのに冷蔵庫から取り出した豚の薄切り肉を、カウンターに置いたほんのちょっとの間に、チマに食べられてしまいました。
口にしたのは、2cm角程度。チマに異変は見られませんでしたが、生肉だったのが気になっています……」
先生のジャッジは……「△」
ちなみに、火が通った状態で脂身を避けたものなら、2、3cm角くらい与えても大丈夫です」(高崎)
⑤一口チーズパン
(山梨県 S・Oさん 愛猫・このはちゃん<メス・1才>)
「焼き立ての一口チーズパンをテーブルで冷ましていたところ、香ばしいニオイにつられたのか、このはが8個(!)も食べてしまい……。
小ぶりなパンとはいえ、猫の体にはものすごい量。案の定、翌日下痢をしていました」
先生のジャッジは……「×」
また、パン生地やチーズには塩分が含まれているので、腎臓疾患のリスクがあります」(高崎)
⑥焼き魚の骨
(秋田県 Nさん 愛猫・チマくん<オス・当時3才>)
「食後、魚の骨をシンクの三角コーナーに捨てたら、いつの間にかチマが口にしていて……!
食べた骨は、5cm程度のもの。異変は見られなかったのでよかったですが、残飯の処理には、前にも増して気をつけるようになりました」
先生のジャッジは……「×」
魚の骨などの鋭利なものもそのまま飲み込むので、食道や胃、腸に刺さってしまう危険があります」(高崎)
⑦干物
(茨城県 Sさん 愛猫・ポールくん<オス・当時6才>)
「ポールが干物を食べてしまったのは、私が食事中にテレビを見た一瞬。食べた量はわかりませんでしたが、ボールはその後ふだんどおりの様子だったので、受診はしていません。
とはいえ、以降、食事中は注意しています」
先生のジャッジは……「×」
ミネラルが体内に蓄積されると結石ができ、最悪結石が尿道に詰まって死に至ることもあるので、今後は絶対にポールくんが口にしないよう、気をつけて」(高崎)
⑧煮汁
(神奈川県 Fさん 愛猫・くるみちゃん<メス・1才>)
「食卓を片付けしていて最中、くるみが煮物の余った汁を舐めてしまいました。量は、ピチャピチャと数回舐めた程度。
味が濃いものなので不安でしたが、その後くるみに異変は見られなかったので安心しました」
先生のジャッジは……「×」
砂糖以外にも、煮汁にはいろいろな調味料が入っており、少し舐めただけでも猫にとっては危険な量の栄養素を口にしてしまっていることもあるので、危険です」
うっかり食べられるのを防ぐ方法は?
いくら「ダメ!」と伝えても、好奇心の強い猫は、目の前に気になる食べ物があれば食べてしまうでしょう。
そのため、一番の対策は、猫から食べ物を隠してしまうこと。たとえば猫が飛び乗れないところで、扉がある棚にしまうと安全でしょう。
また、猫が食べてはいけないものを口にした可能性があるときは、猫に異変がないようでもかかりつけの動物病院に相談することをおすすめします。
(監修:高円寺アニマルクリニック院長 高崎一哉先生)
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
文/Honoka
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