猫と暮らす
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「何かしたい」と「助けてほしい」を寄付でつなぐ“動物福祉”の新しい形
今回は猫を救うために“寄付”に特化したサイトを立ち上げた公益社団法人アニマル・ドネーションを取材しました。
保護活動の実態を知り、サイトの立ち上げを決意
9年前、ある出版社が主催するセミナーで、1匹のキジトラの猫がセンターに運ばれてくる場面に遭遇した西平さん。その猫が昔飼っていた愛猫に似ていたこともあり、「この猫、これからどうなっちゃうんだろう……」と思ったことが動物福祉に関心をもったきっかけだったといいます。
その後、動物保護団体や啓発団体、補助犬協会などを回り、1年間に約70名もの方から活動内容について情報収集をしたのだそう。
「そこで何度も耳にしたのが、『資金が足りない!』という訴えでした。あと数万円あれば助けられる命があるのに……そんな現場のリアルな声を聞いたとき、保護活動がしたくてもできない人と、助けを必要としている人をつなげる、オンライン決済が可能な寄付サイトを作ることを決意しました」
と西平さん。2011年に寄付サイト「アニドネ」を立ち上げ、現在では16の団体が支援先として登録されています。
アニドネのシステムはこんな感じ!
団体の譲渡会に何度も足を運び、「地域との信頼関係ができているか」、「今後継続して活動を続けられるか」などを隈なくチェック、その情報をもとに、外部の有識者で構成される審議委員会で審査が行われるそう。
法人の場合は、コラボレーションして商品やサービスを開発、その売り上げの一部を保護団体に寄付する活動が行われています。たとえば犬が登場する映画とコラボし、特設サイトで寄付を募るなど、さまざまなジャンルで啓発活動を行っています。

これまでの寄付総額はなんと1億円超え!
「寄付のきっかけはどんなことでもいいんです。幅広く窓口を設け、地道に活動していけばもっとたくさんの動物を救えるようになるはず。日本に動物福祉のための“寄付文化”を根付かせようと模索しているところです」
と西平さんは言います。
猫のために自分にできることは何か、改めて考えてみたいですね。
参考/「ねこのきもち」2018年2月号『第83回 猫のために何ができるだろうか』
※記事内容はすべて、2018年12月10日現在のものです。
文/Carrie-the-cat
撮影/尾﨑たまき
※この記事で使用している画像は2018年2月号「第83回 猫のために何ができるだろうか」に掲載されているものです。
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