猫と暮らす
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飼い主さんも意外と知らない? 猫のフードにまつわる疑問6つ
人と猫で必要は栄養素は違う!
飼い主さんは、猫に最適な食事を与えるうえで重要な栄養学の基礎を押さえておきたいですね!
まずは基本的な知識として、「人と猫で必要な栄養素が違うこと」について解説します。
①猫と人では「主要エネルギー」が違う!
猫の主要エネルギー源は「たんぱく質」
これに対し、猫は肉・魚などの肉類に含まれる「たんぱく質」を主要エネルギー源にします。肉食性の動物である猫には、人よりかなり多くのたんぱく質が必要なのです。
②猫と人では「栄養の処理過程」が違う!
猫の体は炭水化物をうまく取り込めない
一方、炭水化物を取り込むしくみや酵素は極めて少ないので、エネルギー源として使うことができません。
③猫と人では「体内でつくり出せる栄養素」が違う!
猫は人より体内でつくり出せない栄養素が多い
必要栄養素には、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどがありますが、猫は必須アミノ酸やビタミンが人より多いことがわかっています。
これらは、必要量を食べ物から摂取する必要があるのです。
疑問に思っていること……ありませんか?
Q1.栄養バランスのよいフードを選ぶにはどうすればいい?
A.猫に必要な栄養の基準をクリアした「総合栄養食」を。
一般食(副食)やおやつを与えすぎると栄養バランスが崩れるので、与える場合は1日に必要なカロリーの10%以内にするように。
【注意】ひと昔前の"ねこまんま"では、猫は栄養不足に!
Q2.毎日、同じフードばかり与えて大丈夫?
ただ、愛猫が飽きやすいタイプなら、たまに違うフードに替えて気分転換するといいです◎
Q3.ドライフードとウエットフードで栄養の吸収のされ方は違うの?
A.栄養の吸収に違いはありません。水分摂取量に違いがあります。
大きな違いは、ウエットフードは栄養と同時に水分を摂れること。水分を多く摂る必要がある腎臓病の猫などに適しています。また、満腹感も得られやすいようです。
Q4.保存料などの添加物が入っていないものを選ぶべき?
A.保存を前提としたドライフードには保存料が必要です。
「保存料」と記されていなくても何らかの形で使用されているはずなので、気にしすぎないようにしましょう。気になるようなら、保存前提ではない無添加のウエットフードを選んで。
Q5."グレインフリー"(穀物不使用)がよいと聞きましたが本当?
A.穀類(炭水化物)もまったく無駄ではないので、一概にいえないでしょう。
そのため、一概に「グレインフリーがよい」とはいえないでしょう。
Q6.猫の年齢によって必要な栄養は変わる?
A.変わります。必要に応じてフードの変更を検討して。
- 成長期
- 成猫期
- 妊娠・授乳期
の3つ。それぞれのライフステージに合ったフードを与えることが大切です。
また、基準はないものの、シニア期に入ると必要エネルギー量が少なくなります。肥満や体調などが気になったら、獣医師に相談のうえフードの変更をしましょう。
現代の飼い猫は、肥満に要注意!
肥満になると、肥大化した脂肪細胞が「炎症サイトカイン」という物質をたくさん放出(分泌)するために、慢性の全身性炎症が引き起こされます。
飼い主さんが責任を持って、愛猫の肥満を防いで!
【おまけ】アメリカのペットフード事情…知ってる?
そんな中、ベンチャー企業の地元素材を使ったフードがトレンドになる風潮もあるようで、岡田先生は次のように指摘します。
「はたして研究機関で給与試験を行っていないフードが猫の必要栄養素を賄えているのか……危惧しています。猫に必要な栄養を理解し信頼できるフード選びを! トレンドに振り回されないことも大切ですね」(岡田)
(監修:獣医学博士、米国獣医師 岡田ゆう紀先生)
イラスト/田室綾乃
文/雨宮カイ
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