いっしょに寝たり毛づくろいをしたり、猫同士仲が良い姿はとてもかわいらしく、多頭飼いにあこがれる方も少なくないでしょう。
しかしそれを決断する前に確認しておきたいのが、猫同士の相性。どんなことに気をつければ良いのか、詳しく見ていきましょう。
気をつけたい先住猫のストレス
先述したような猫同士の様子を目にすると、相性さえ良ければ多頭飼いのほうが猫も嬉しいのでは?と思う方もいるかもしれません。しかし、猫は基本的に単独行動を好み、環境の変化にストレスを感じやすい生き物です。そのため新しい猫が増えることは、個々の差はあれど先住猫にとってストレスになることは間違いないでしょう。
問題行動が起こる可能性も視野に入れよう
新しい猫が来ることで、飼い主さんとの時間が減ってしまったりお気に入りの場所でゆっくり休めなくなったりすると、先住猫は不安で落ち着かない気持ちになっていきます。
こうしたストレスから、スプレー行動やトイレ以外での排尿、好ましくない場所での爪とぎなどの問題行動を起こす可能性があります。また、食欲の低下や下痢、膀胱炎などの健康面での影響にも注意が必要です。
気をつけたい組み合わせとは?
猫同士の相性は、基本的には個々の性格によるところが大きいと考えられます。そのため、「明らかにNG」という組み合わせはありませんが、「成猫のオス同士」と「高齢猫と子猫」は特に注意が必要なケースだといわれています。
どうして注意が必要なのか
成猫のオス同士は縄張り意識が強いため、ケンカやスプレーなどの問題行動が起きやすい可能性があります。
高齢猫と子猫の場合は、遊び盛りで運動量の多い子猫の存在が、のんびりしたい高齢猫のストレスにつながることが懸念されます。強いストレスは病気の引き金になることもあるので、高齢猫への十分な配慮が必要です。
猫同士の相性が悪い場合でも、時間をかければ改善される?
初めは相性が悪いように見えた場合でも、時間をかけて関係の構築を図れば、お互いの存在を認められるようになるケースもあります。
無理のない顔合わせを根気よく続け、それぞれの猫に合わせた環境を整えるなど、環境が変わっても安心して暮らせると理解させてあげることが大切です。そうすることでケンカをしなくなったり、寄り添って寝るようになったりすることもあるそうです。
うまくいかない場合は
いくら時間をかけても、どうしても猫同士がお互いを受け入れられないということもあり得ます。
その場合は猫を別々の部屋で過ごさせる、ケージで隔離するなどの対応も視野に入れていかなければなりません。多頭飼いをする場合は、そういった環境を準備することができるかどうかを確認しておく必要があるでしょう。
猫同士の関係性は、必ずしも飼い主さんの思う通りになるものではありません。多頭飼いを考える場合はさまざまな可能性を視野に入れ、しっかりとシミュレーションしておく必要がありそうですね。先住猫も新しい猫も幸せに暮らせるように配慮してあげましょう。
参考/「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『【専門家が解説】猫の多頭飼いで知りたい!注意が必要な「組み合わせ」はあるの?』(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
文/kagio
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。