猫と暮らす
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動物病院の「夜間救急」の実態 受診の際のポイントも解説!
聞いたことはあるけれど、実際にかかったことがないからわからないという人も中にはいるでしょう。
この記事では、夜間救急の実態と受診する際のポイントについて、くわしく解説します。
そもそも「夜間救急」って?
救急動物病院は、「地域の獣医師が交代で、あるいは地元の獣医師会が夜だけ診療するタイプ」「24時間営業タイプ」「獣医師が飼い主宅に行って診察する往診タイプ」などいろいろあります。
この記事では、それらを総称して「夜間救急」としています。
獣医師に聞いた! 「夜間救急」のウソ・ホント
飼い主さんたちが抱くイメージが合っているのかどうか、東京都江東区にある、ひがし東京夜間救急動物医療センターのセンター長・上野元裕先生の解説をもとに紹介します。
イメージ①:夜間救急に連れて行っても、応急処置しかしてくれないってホント?
「できるだけのことをして、その後の治療はかかりつけの動物病院で」と考えている施設が多いでしょう。
イメージ②:夜間救急で診療してくれるのは、新米の獣医さんだけってホント?
心配であれば、あらかじめ尋ねてみるといいでしょう。
イメージ③:通常の動物病院より値段が高いと聞いたけど……それってホント?
夜間分をプラスする場合もあれば、もともとの診療費を高く設定している場合もあります。ふだんの猫の様子がわからない分、必要な検査が増えて料金がかさむことも。
イメージ④:保険が効かないイメージが……。それってホント?
一般に、夜間(時間外)診療費として、診療費などに加算された料金には、適用されないケースが多いかも。
夜間救急を受診するときの手順
いざというときのためにも、ぜひ知っておいてくださいね。
①夜間救急に電話をする
その上で、異変を起こしている愛猫の様子(症状)をできるだけ具体的に伝えましょう。その際、電話口のスタッフの質問をよく聞き、できるだけ的確に答え、指示に従うことが効率、効果的です。
愛猫の命を救うことにもつながります。
夜間救急に電話をかけるときのポイント
また夜間救急には、命の危険がある猫の飼い主さんから、獣医師にとりあえず相談してみようと思う飼い主さんまで、さまざまな飼い主さんから電話がかかってきます。
受診を希望するなら、最初にその旨を伝えましょう。
②いざ行くことになったら準備を!
また、夜間救急では診察を担当する獣医師に猫のこと、とくに病歴をくわしく伝えることが大事です。
「過去に受診したときのデータ」や「ふだん飲ませている薬」といった、診断の手がかりになる資料は必ず持っていくように。
資料を準備するときのポイント
→病歴や薬名がわかると、処置がスムーズになります。薬の場合、実物も参考にはなりますが、薬名の特定に時間がかかったり、特定できなかったりすることもあるので、薬名は必ず覚えておきましょう。
ふだんの受診時に、かかりつけの獣医師に病気や薬の名前を紙に書いてもらったり、人の「お薬手帳」のように、専用ノートを用意して書き込んでおくといいです◎
→血便や下痢、吐しゃ物などがある場合、また、誤食物の残骸がある場合、ポリ袋などに入れて持参を。持っていくことができないなら、スマホで撮影した画像だけでもOKです。
→落ち着きがない、呼吸がおかしい、けいれんしているなど、動きに異変がある場合は動画を撮影しましょう。夜間救急に到着したときには症状がおさまっていることもあるので、参考になります。
いざというときのために、夜間救急を探しておこう!
夜間救急を選ぶ基準はさまざまですが、猫の体への負担を考えると、一番優先したいのは自宅からの「距離」と「時間」でしょう。そのほか、気になることをチェックしておくと、より安心です。
よりよい夜間救急を探す手順
愛猫の体を一番知っているかかりつけの獣医師に、診療時間外に異変が起こったときどうすればいいか、相談してみましょう。信頼できる夜間救急を紹介してくれるかも。
また、持病がある猫なら、起こり得る異変も想定しやすく、いざというときの応急的な薬をあらかじめ処方してくれることもあります。
自分で調べる場合、インターネット検索などをしてみましょう。最近は、夜間救急をまとめたサイトもあります。地域差はありますが、よりよい夜間救急を見つけるための選択肢のひとつにしてみてもいいでしょう。
地域によっては、近くに夜間救急がないこともあるでしょう。その場合は、できるだけ近い夜間救急を選び、電話をかけて獣医師の指示をもらう方法もあります。
多少遠くても、動物病院に行かないとどうしようもないこともあります。
(監修:東京都江東区にある、ひがし東京夜間救急動物医療センターのセンター長、獣医師 上野元裕先生)
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
イラスト/山村真代
文/雨宮カイ
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