愛猫の健康を脅かす、ノミやダニ……。もしも寄生してしまった場合は、どうしたらよいのでしょうか。
今回は、そんなネコノミ・耳ダニ・マダニについて詳しく解説するとともに、駆除方法や予防策をご紹介します。
ネコノミ・耳ダニ・マダニ それぞれどんな特徴があるの?
被毛の間をすり抜けながら動く「ネコノミ」
猫につくノミのほとんどがネコノミ。体長は2mmほどで、気温が20~30℃、湿気が50~80%の環境を好み、皮膚に針を刺して吸血するときに唾液を出すことで、激しいかゆみをもたらします。ネコノミが寄生すると、体をしきりにかいたり、被毛を噛むようなしぐさをしたりするでしょう。
猫の耳につくダニ「耳ダニ」
耳ダニとは、「ミミヒゼンダニ」の通称。体長は0.5mmほどなので、肉眼ではほとんど見ることができません。犬や猫、フェレットなどの動物の外耳道で一生を過ごします。
耳ダニが寄生すると激しいかゆみが生じるので、耳を頻繁にかいたり壁や床に耳を擦りつけたりします。
草むらなどに生息している「マダニ」
マダニの体長は4~7mmくらいです。動物や人が通ると体にくっついて吸血し、吸血後は1~2cmほどの大きさになります。
マダニは、顔周りを中心に寄生し吸血しますが、噛まれても痛みやかゆみは軽度でほとんど症状が出ません。
ネコノミ・耳ダニ・マダニを駆除する3つの方法
ノミ取りクシでブラッシング
取ったノミをつぶすと卵が飛び散ってしまうので、つぶさないように注意し、ノミ取りクシでブラッシングましょう。ただし、多数のノミがいるときは、ブラッシングだけでは完全な駆除は難しいとされています。
ノミ取りシャンプーを使用する
ノミ取りシャンプーは、ネコノミのフンや卵も洗い流すことができます。ただし、成虫は殺すことができないため、シャンプー後はノミ取りクシなどでを使って取り除きましょう。
動物病院で処方される駆除薬を使用する
滴下型(スポットタイプ)の駆除薬は、猫の肩甲骨の間に薬を垂らします。24時間以内に成分が全身に行き渡り、約1ヶ月間はネコノミ・耳ダニ・マダニが付着してもすぐに駆除されるため、重大な感染症の予防に効果的でしょう。
スプレータイプの駆除薬は、猫の全身に噴霧して使用し、即効性と持続性に優れているのが特徴です。そのため、ネコノミ・耳ダニ・マダニの重度寄生時の“即効駆除”に効果が期待できます。
愛猫を守るための予防策
ネコノミ・耳ダニ・マダニは、草むらなどに生息しているので、外に出ることがある猫は寄生される確率が高くなります。そのため、寄生虫予防の観点から考えると、外飼いしない方が安心です。
ただし、たとえ室内飼いであっても飼い主さんの服などについていることもあり、外から持ち込んでしまう場合も。飼い主さんは家に入る前に服や靴をはたいたり、手洗いをしたりしてから猫に触れるようにしましょう。
また、家の中は冬でも暖かく湿度があるため、ネコノミ・耳ダニ・マダニにとっては快適な環境です。こまめに掃除をすることで大繁殖を防ぐことができます。
愛猫の健康を守るためには、飼育環境を問わず定期的な駆除薬の投与がおすすめです。ネコノミ・耳ダニ・マダニは飼い主さんにも感染の恐れがあるため、軽く見ないでしっかり対処していきましょう。
参考/「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医師監修】人と猫に忍び寄る危険!ネコノミ・耳ダニ・マダニ』(監修:ねこのきもち相談室獣医師)
文/ishikawa_A
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。