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【獣医師監修】人と猫に忍び寄る危険!ネコノミ・耳ダニ・マダニ

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ネコノミ・耳ダニ・マダニ……猫につくノミやダニにはさまざまな種類がありますが、軽く見てはいけません。猫だけでなく飼い主さんも大変な感染症にかかるおそれがあるのです。今回はノミ・ダニの特徴や症状、主な感染症、駆除・予防方法について解説します。

この記事の監修

荒木 陽一 先生

 獣医師
 プリモ動物病院 練馬院長

 東京農工大学農学部獣医学科(現 共同獣医学科)卒業

●資格:獣医師

●所属:日本獣医がん学会

●主な診療科目:一般診療(外科・内科)、救急診療、腫瘍科

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ネコノミ・耳ダニ・マダニって?寄生されたら?

窓際の猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

ネコノミとは?

猫に寄生するものとして、よく聞かれるのがノミ。これは主にネコノミです。ネコノミの体長は2mmほどで、被毛の間をすり抜けながら活発に動き回るのが特徴です。ネコノミは気温が20~30℃で湿気が50~80%の環境を好み、人が住む家はまさに格好の住み家といえるでしょう。

猫の全身どこにでも住み着き、爆発的に増殖することも。皮膚に針を刺し吸血する際に唾液を出すため、強いかゆみをもたらします。猫につくノミのほとんどが、このネコノミです。

ネコノミに寄生されたら、どんな症状が出る?

ネコノミは吸血するため、噛まれると激しいかゆみが生じます。体をしきりにかいていたり、被毛を噛むようなしぐさをしていたりしたら、ネコノミに寄生されているおそれが。また、寄生数が少ないとわかりにくいケースもありますが、ノミの糞でわかることもあります。

耳ダニとは?

耳ダニとはミミヒゼンダニの通称で、猫の耳につくことから耳ダニといわれています。ミミヒゼンダニの体長は0.5mmほどなので、肉眼ではほとんど見ることができません。しかし、多数寄生している場合は、よく見ると動くものとしてとらえることができます。一生を動物(主に犬・猫・フェレット)の外耳道で過ごします。

耳ダニに寄生されたら、どんな症状が出る?

耳ダニが寄生すると激しいかゆみが生じます。耳を頻繁にかいたり、壁や床に耳を擦りつけたり、頭を激しく振るなどの行動が見られると、耳ダニに寄生されているおそれがあります。耳ダニに寄生されていると耳ダニのフンが混ざることによって、黒く独特の刺激臭のある耳アカがたまります。また、外耳炎になります。

マダニとは?

マダニは外部寄生虫の一種で、草むらなどに生息しています。体長は4~7mm程度で、近くに宿主となる動物や人が通ると体表面に付着し吸血します。吸血後は1~2cmほどになり、肉眼でも確認することができます。

マダニに寄生されたら、どんな症状が出る?

マダニは顔まわりを中心に寄生し吸血します。噛まれても痛みやかゆみは軽度で、ほとんど症状が出ないことが多いです。しかし、大量寄生により吸血量が多くなると、貧血症状を引き起こすケースも。また、皮膚炎やアレルギーの原因になることもあります。

ネコノミ・耳ダニ・マダニによって猫が感染する主な感染症

下を出す猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

ネコノミ・耳ダニ・マダニで怖いのは感染症です。特に、マダニが媒介する感染症は、人にもうつるので注意が必要です。

ネコノミが媒介する感染症

瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)

「瓜実条虫」は、通称サナダムシともいわれます。条虫の卵を食べたノミを、猫が毛づくろいでなめとってしまい感染します。小腸に住み着きますが、数多くの条虫が寄生しない限り猫への害は少なく、無症状のこともあります。
お尻から、米粒のような虫の片節が出てきて感染に気付きます。

耳ダニが媒介する感染症

耳疥癬症(みみかいせんしょう)

「耳疥癬症(みみかいせんしょう)」は、通称「耳ダニ症」といわれています。猫の耳に、耳ダニが住み着くことで激しいかゆみを起こす感染症です。耳ダニ症になると耳の中は炎症を起こしてしまいます。

マダニが媒介する感染症

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は、犬や猫に関する症例報告が少ないため、症状などの情報がほとんどありません。しかし、人が感染すると1~2週間の潜伏期間後、発熱、食欲低下、下痢、嘔吐、意識障害、出血といった症状が表出することから、猫に感染した場合も発熱、衰弱といった症状が見られる可能性があるとされています。

猫ヘモプラズマ症

「猫ヘモプラズマ症」は、マダニの持つマイコプラズマに属する細菌に猫が感染すると発症し、貧血や体重減少、食欲減退、黄疸などの症状が現れます。

ライム病

人が「ライム病」に感染すると、倦怠感や発熱、紅斑などの初期症状が現れます。その後、神経や循環器、関節、皮膚、目などのさまざまな部位に障害を引き起こすことがあります。

このように、ネコノミ・耳ダニ・マダニに寄生されると、感染症を発症するリスクがあり、特にマダニは多様な感染症リスクが高まります。しかし、ネコノミ・耳ダニ・マダニ経由の感染症は、定期的な駆除薬の投与で予防することができます。猫はもちろん、飼い主さんご自身の健康のためにも、しっかりと対策しておきましょう。

ネコノミ・耳ダニ・マダニは、人にも危険!

顔アップ
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

2017年、野良猫に噛まれた女性が「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染し、死亡したというニュースが流れました。その野良猫が「SFTS」に感染していたかは明らかになっていませんが、亡くなった女性にマダニに噛まれた形跡が見つからなかったため、「マダニ→猫→人」のルートで「人もSFTSに感染する可能性がある」と結論付けられました。

このことをきっかけに、猫や犬のマダニ予防の重要性が社会的にも見直されるようになっています。また、マダニだけではなくネコノミ・耳ダニも人に噛みつきます。では、ネコノミ・耳ダニ・マダニは、どのようにして対処すればよいのでしょうか。

ネコノミ・耳ダニ・マダニの駆除方法

診察を受ける猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

駆除薬を使う

ネコノミ・耳ダニ・マダニをはじめとする、ノミ・ダニ駆除薬には大きく分けて2つのタイプがあります。

滴下型(スポットタイプ)

「滴下型(スポットタイプ)」の駆除薬は、猫の肩甲骨の間に薬を垂らすことで24時間以内に成分が全身に行き渡ります。約1ヶ月間はネコノミ・耳ダニ・マダニが付着してもすぐに駆除されるため、重大な感染症の予防に効果的な手段です。

ほとんどの駆除薬は月に1回定期的に使用するものなので、しっかりと対策するためには忘れずに投与し続けることが重要です。薬が垂れ落ちてしまわないよう、使用する際は注意しましょう。

なお、駆除薬のなかにはノミ・マダニのみを駆除し、耳ダニには適応外のものもあるので、よく確認してから使用することが大切です。

スプレータイプ

スポットタイプと同じ有効成分を含んでいますが、猫の全身に噴霧するスプレータイプなので、即効性と持続性に優れているといわれています。そのためネコノミ・マダニの重度寄生時の「即効駆除」に効果を発揮することが期待できるでしょう。また、スポットタイプの使えない生後2日齢からの子猫や妊娠中、授乳期の猫にも安全に使用できるものもあります。

スポットタイプと同様に、1回投与すると1ヶ月程度ネコノミ・マダニの駆除効果があるものがほとんどです。使用方法や頻度を読んで、過不足なく投与するようにしましょう。

動物病院で処方してもらうのがベター

ネコノミ・耳ダニ・マダニの駆除薬には、薬局やペットショップなどで売られている一般薬と、動物病院でのみ取り扱っている「動物用医薬品」があります。一般薬は医薬品より効果が弱いので、動物病院で相談して猫の体重や年齢に合わせた薬を処方してもらうのがベターです。

マダニに噛まれていたら

マダニの口器は皮膚の深くまで差し込まれ、さらに接着剤のような働きをする物質を分泌するため、簡単には取り除くことはできません。飼い主さんが焦って無理に取り除こうとすると、マダニの体だけ干切れて取れ、頭が皮膚に残ることも少なくありません。猫がマダニに噛まれていることがわかったら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。

ネコノミ・耳ダニ・マダニ予防と対策!

外を眺める猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

外に出さない

ネコノミ・マダニは、草むらなどに生息しているので、猫を外に出すことがある場合は寄生される確率が高くなってしまいます。庭先やベランダでも寄生される確率が高くなることに変わりはありません。また、外に出た際は耳ダニも、ほかの猫や犬との接触でうつされることがあります。

持ち込まない

完全な室内飼いだから大丈夫というわけでもありません。飼い主さんの服などについたりして、外から持ち込んでしまう場合もあります。特に、草むらや木などのそばを通ったときは、家に入る前に服や靴をはたき、手を洗ってから猫に触れるようにしましょう。また、犬を一緒に飼っている場合も注意が必要です。

こまめに掃除

ネコノミ・マダニにとって、家の中は冬でも暖かく湿度がある、とても快適な環境といえます。大繁殖する前に掃除をして駆除することが大事です。もし、卵が産まれたとしても、ふ化するまでに3~7日ほどかかります。こまめに掃除をすることで成虫になる前に駆除ができ、大繁殖を防ぐことができるといえるでしょう。

猫の健康を脅かすノミ・ダニはたくさんいますので、駆除薬を定期的に投与して予防してあげることが大切です。室内飼いであってもネコノミ・耳ダニ・マダニが、先で述べたように侵入してきて寄生する可能性も考えられます。飼育環境を問わず、定期的な駆除薬の投与をおすすめします。

参考/「ねこのきもち」2017年7月号『知らぬ間に猫の健康を脅かす コワ~イ寄生虫にご用心!』(監修:サエキベテリナリィサイエンス 佐伯英治先生)
   「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『獣医師が答えるQ&A』
   「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医師監修】猫につくダニ対策!種類ごとの症状や、予防方法も解説』(監修:ねこのきもち相談室獣医師)
   「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医師が解説】猫の「耳ダニ症」は人にも感染する?予防法も解説』(監修:ねこのきもち相談室獣医師)
監修/荒木陽一先生(プリモ動物病院 練馬院長)
文/gyo
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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