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【獣医師が解説】猫のマダニ問題!対策すべき病気と駆除薬の使用法

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2017年、野良猫に噛みつかれた女性が重症熱性血小板減少症候群(「SFTS」)に感染し死亡する悲しい事件が起こました。その事件をきっかけに、「マダニ」対策の重要性が見直されています。今回はマダニ経由で猫に感染する可能性のある感染症や、予防効果のある駆除薬等について解説します。

要注意!人にも感染する可能性が明らかに・・・

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2017年、野良猫に噛まれた女性が「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染し、死亡したというニュースが流れました。その野良猫が「SFTS」に感染していたかは明らかになっていませんが、亡くなった女性にマダニに噛まれた形跡が見つからなかったため、「マダニ→猫→人」のルートで「人もSFTS」に感染する可能性がある」と結論付けられました。

このことをきっかけに、猫や犬のマダニ予防の重要性が社会的にも見直されるようになっています。では、マダニとはどのような生き物で、どこでどのようにして人や猫に噛みつくのでしょうか?

マダニってどんな生き物?噛まれたら?

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マダニとは?

「マダニ」は外部寄生虫の一種で草むらなどに生息しています。近くに宿主となる動物や人が通ると、体表面に付着し吸血します。吸血後の体重は吸血前に比較すると100~200倍にもなることがあるため、吸血後は肉眼でも確認することができます。

マダニに噛まれた時の注意点

マダニの口器は皮膚の深くまで差し込まれ、さらに接着剤のような働きをする物質を分泌するため、簡単には取り除くことはできません。飼い主さんが焦って無理に取り除こうとすると、マダニの体だけ干切れて取れ、頭が皮ふに残ることも少なくありません。そして残った頭からはまた体が再生してきます。猫がマダニに噛まれていることがわかったら、すぐに動物病院へ行きましょう。

マダニに噛まれたらどんな症状が出る?

マダニに噛まれると、噛まれた部分に痛みやかゆみがあっても軽度でほとんど症状が出ないことが多いです。重症化すると、貧血症状を引き起こすケースも考えられます。しかし、これらはマダニによる一次的な被害に過ぎません。マダニによる被害はこれにとどまらず、「SFTS」のような重大な感染症を引き起こすこともあります。

マダニによって猫が感染する主な感染症

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「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」

「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は、犬や猫に関する症例報告が少ないため、症状などの情報がほとんどありません。しかし、人が感染すると1~2週間の潜伏期間後、発熱、食欲低下、下痢、嘔吐、意識障害、出血といった症状が表出することから、猫に感染した場合も発熱、衰弱といった症状が見られる可能性があるとされています。

「猫ヘモプラズマ症」

「猫ヘモプラズマ症」は、マダニの持つマイコプラズマに属する細菌に猫が感染すると発症し、貧血や体重減少、食欲減退、黄疸などの症状が現れます。

「ライム病」

人が「ライム病」に感染すると、倦怠感や発熱、紅斑などの初期症状が現れます。その後、神経や循環器、関節、皮膚、目などのさまざまな部位に障害を引き起こすことがあります。

「バベシア症」

「バベシア症」は、人と犬の症例はあるものの、猫は症状が出ないか報告がありません。潜伏期間は約2週間で、貧血や毛ツヤの悪化、黄疸、倦怠、食欲不振、発熱などの症状を引き起こします。軽症の場合はなかなか診断名がつかないこともあるようです。

このように、猫がマダニに噛まれると患部の炎症のみならず、多様な感染症を発症するリスクがあります。しかし、マダニ経由の感染症は、定期的な駆除薬の投与で予防することができます。猫はもちろん飼い主さんご自身の健康のためにも、しっかりと対策しておきましょう。

マダニを予防する方法とは?

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マダニをはじめとするダニの駆除薬には、大きく分けて2つのタイプがあります。

滴下型(スポットタイプ)

「滴下型(スポットタイプ)」の駆除薬は、猫の肩甲骨の間に薬を垂らすことで24時間以内に成分が全身に行き渡ります。約1ヶ月間はマダニが付着してもすぐに駆除されるため、重大な感染症の予防に効果的な手段です。

ほとんどの駆除薬は月に1回定期的に使用するものなので、しっかりと対策するためには忘れずに投与し続けることが重要です。薬が垂れ落ちてしまわないよう、使用する際は注意しましょう。

スプレータイプ

スポットタイプと同じ有効成分を含んでいますが、猫の全身に噴霧するスプレータイプなので、即効性と持続性に優れていると言われています。そのためマダニの重度寄生時の「即効駆除」に効果を発揮することが期待できます。また、スポットタイプの使えない生後2日齢からの子猫や妊娠中、授乳期の猫にも安全に使用できるものもあります。

スポットタイプと同様に、1回投与すると1か月程度マダニの駆除効果があるものがほとんどです。使用方法や頻度を読んで、過不足なく投与するようにしましょう。

動物病院で処方してもらうのがベター

マダニの駆除薬には、薬局やペットショップなどで売られている一般薬と、動物病院でのみ取り扱っている「動物用医薬品」があります。動物病院で相談して猫の体重や年齢に合わせた薬を処方してもらうのがベターです。

マダニ以外にも注意!予防するのも飼い主の重要な役割

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マダニ以外にも、猫が注意したいダニによる感染症は数多くあります。

耳疥癬(耳ダニ感染症)

猫の耳の中に寄生する、約0.2mmの小さなダニによる感染症です。黒っぽいガサガサした耳アカが出てきて、激しい痒みを感じるなどの症状が現れます。

ニキビダニ感染症

猫の皮脂腺や毛包に寄生し、皮膚炎や脱毛といった症状が表れます。頭や耳、首など部分的に見られますが、全身に広がるケースもあるようです。特に、中~高齢で発症した場合は免疫力の低下するような基礎疾患が関与している可能性があります。

ツメダニ症

ツメダニ症は、体の幹部や背中に白い粉を吹いたようなフケのようなものが見られた場合に疑われます。かゆみの程度には個体差がありますが、主な症状は大量のフケとなります。

猫の健康を脅かすダニはたくさんいますが、駆除薬を定期的に投与して予防してあげましょう。室内飼いであっても犬を一緒に飼っている場合は、犬が自宅にマダニを連れて帰ってきて感染する可能性も考えられます。飼育環境を問わず、定期的な駆除薬の投与をおすすめします。

監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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