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猫の寄生虫対策

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飼い主さんも、猫自身も気がつかないうちに、体に忍び込む寄生虫は、子猫や高齢猫など免疫力が低い猫に大量の寄生虫が感染すると、重篤な症状を引き起こす場合もあります。愛猫の健康のために正しい知識を身につけましょう。

寄生虫感染の予防&早期発見のためにやっておきたい、3つのこと。

【1】猫を保護したら、すぐに動物病院で便検査を受けましょう。
ノラ猫は、猫の体内をすみかとする「内部寄生虫」と、皮膚や耳など猫の体の表面をすみかとする「外部寄生虫」に感染している可能性が大です。かゆがるなどの症状が見られなくても、猫を保護したらすぐに動物病院に連れて行き、便検査を受けましょう。

【2】寄生虫の予防・駆除剤を投与しましょう。
ノミ・ダニをはじめ、フィラリアなど、寄生虫によっては効果的な予防・駆除剤があります。年間を通じて暖かい地域では通年、月1回投与します。それ以外の地域は、獣医師に相談の上、期間を決めて予防しておくと安心でしょう。なお予防・駆除剤は、飲み薬タイプと、背中に滴下する液体タイプがあります。猫の背中に滴下するタイプの予防・駆除剤は、飼い主さんでも簡単に投与できます。

【3】普段からウンチを観察して、発見したら早く取り除きましょう。
条虫など、飼い主さんが愛猫のウンチ見て気づくケースもあります。異物が混じっていないか、ウンチを観察する習慣をつけましょう。また、ウンチに混じる卵や片節などは、新たな感染源になります。排泄物はすぐに処理して、飼い主さんは、処理した後、手を石鹸でしっかり洗ってください。

寄生虫についての知識を持っておきましょう。

寄生虫対策をするには、まず飼い主さんが寄生虫のことを知っておくことが大切です。正しい知識を持って、愛猫の健康を守ってあげましょう。

特に多い、内部寄生虫(1)回虫

●回虫ってどんな寄生虫?
猫の体内をすみかとする内部寄生虫。特に感染率が高いのが、回虫と条虫です。
回虫は、ノラ猫の半数以上が感染している、身近な寄生虫です。猫には「猫回虫」と「犬小回虫」が寄生しますが、圧倒的に多いのが、猫回虫です。白くて細長く、成虫の長さは、2~10cmにもなります。ノラ猫を対象にした調査では50%~60%の猫から見つかっているそうです。
●なぜ感染しやすいの?
感染猫のお乳を飲むとうつるからです。感染ルートで多いのが、感染した母猫のお乳を飲むことといわれています。母猫の体内で休眠から覚めた回虫の幼虫の一部が血管に侵入して、幼虫が母乳に入り込み、それを飲んだ子猫に感染します。その他、回虫の卵を口にしたり、感染しているネズミを食べたりしてうつります。
●どんなときに気づくの?
・回虫を吐いたり、ウンチに交じって排泄したりしたとき。
・下痢をするとき。
・体重の減少(子猫の場合)
●猫の体のどこに寄生するの?
回虫は猫の小腸にすみ着きます。そして猫の栄養分を横取りして成長し、卵を産みます。
●検査・治療方法は?
便検査を行い、駆除剤を投与します。回虫の卵はウンチに混じって排泄されるため、便検査で判明します。見つかったら回虫を退治する駆除剤を投与します。

特に多い、内部寄生虫(2)条虫

●条虫ってどんな寄生虫?
条虫は、通称・サナダムシとも呼ばれ、成長すると50~60cm、中には1mを超えることもあります。猫には、「瓜実(うりざね)条虫」「猫条虫」「マンソン裂頭(れっとう)条虫」が寄生しますが、特に多いのが瓜実条虫です。いずれも片節というパーツでつながり、白く細長いヒモのような見た目になります。
●なぜ感染しやすいの?
おもに、瓜実条虫を体内に宿したノミを毛づくろいしたときに飲み込むからです。
瓜実条虫の卵を食べたノミが猫の体の表面に付き、そのノミを猫が毛づくろいでなめとって感染します。猫条虫は、条虫の卵を食べたネズミを猫が食べることで感染し、マンソン裂頭条虫は、条虫の幼虫を宿したカエルや、そのカエルを食べたヘビを猫が食べても感染します。
●どんなときに気づくの?
・瓜実条虫の片節がウンチに混じって排泄されたとき。
・瓜実条虫の片節がお尻についていたときや、寝床に落ちているとき。
●猫の体のどこに寄生するの?
いずれの条虫も猫の小腸の粘膜にすみ着きます。多数寄生しない限り、猫への害は少なく、無症状のこともあります。
●検査・治療方法は?
片節の有無を視診して、駆除剤を投与します。
条虫の卵は便検査では見つかりにくいため、猫のお尻周りやウンチの表面に条虫の片節がないかを確認します。治療は、条虫を退治する駆除剤を投与するほか、ノミに感染している可能性も高いため、ノミの駆除剤の投与も必要です。

特に多い外部寄生虫(1)ダニ

●ダニってどんな寄生虫?
「外部寄生虫」は皮膚や耳など、猫の体の表面をすみかとする寄生虫で、代表的なものが、ダニとノミです。ダニの中では、耳の炎症のもとになるミミヒゼンダニ(通称・耳ダニ)が多いです。ダニ類はクモの仲間で袋状の体と8本足は共通ですが、大きさや生態は種類によって異なります。
猫に最も多いおは「ミミヒゼンダニ」で、その他にも「ショウセンコウヒゼンダニ」「マダニ」もあります。
●なぜ感染しやすいの?
ダニは感染力が強い寄生虫で、猫から猫に簡単にうつるからです。
感染猫と軽く接触したり、同じブラシを使うだけでもうつるため、複数飼いの場合1匹が感染すると、あっという間に同居猫へと広がってしまいます。特に多い耳ダニは、外で過ごしていた元ノラ猫によく見られます。
●どんなときに気づくの?
・しきりに顔周りなどをかくとき。
・黒い、独特な刺激臭の耳垢がたまっているとき。
●猫の体のどこに寄生するの?
耳の中や、顔周りにすみ着きます。
耳ダニはおもに外耳道に、ショウセンコウヒゼンダニはおもに顔周りや前足の皮膚にすみ着きます。マダには顔や体に付いて吸血します。
●検査・治療方法は?
顕微鏡などで確認して、駆除剤を投与します。
体長が0.5mmほどの耳ダニや、0.2mmほどのショウセンコウヒゼンダニは肉眼では見えないため、耳垢や毛などを採取して、顕微鏡で検査をします。吸血すると1~2cmほどにもなるマダニは肉眼でも確認できます。治療はダニの種類に応じて、駆除剤を投与します。

特に多い外部寄生虫(2)ノミ

●ノミってどんな寄生虫?
吸血されると激しいかゆみを生じて、猫を苦しめるノミ。世界中に多くの種類が棲息し、吸血する相手を選びません。猫に付くのはほとんどが「ネコノミ」です。体調は2mmほどで、毛の間をすり抜けて活発に動きます。皮膚に刺した針から唾液を出すため強いかゆみをもたらします。
●なぜ感染しやすいの?
室内はノミの繁殖に最適で、猫の過ごす場所に近いからです。
ノミは温度20~30℃、湿度50~80℃の環境で繁殖します。つまり、冷暖房や加湿器で温度・湿度が整えられている住まいは、ノミにとって最適な環境になります。毛に覆われている猫はノミが寄生しやすい動物なので、室内で暮らす猫にとって一年中もっとも近くにいる寄生虫といえるでしょう。
●どんなときに気づくの?
・猫が体をしきりにかいているとき。
・猫が毛をカチカチと噛むとき。
●猫の体のどこに寄生するの?
ノミは猫の全身、毛の中にどこにでもすみ着きます。特に皮膚が薄く針を刺しやすい背中を吸血することが多いでしょう。
●検査・治療方法は?
ノミ取り櫛などで、ノミを取って存在を確認します。ノミの駆除剤を投与することで、駆除と予防も可能です。また、ノミに瓜実条虫が寄生している可能性があるため、その有無を調べる場合もあります。

厄介な内部寄生虫(1)原虫類

●原虫類ってどんな寄生虫?
フィラリアと並んで診断がつきにくく重篤な状態になることもある怖い寄生虫が原虫類です。原虫類は同じ内部寄生虫でも、回虫・条虫とは異なり、単細胞の生物の総称です。猫の体内で増殖していく目に見えない寄生虫で、肉眼では確認できないため顕微鏡で確認します。
●どんなところが厄介なの?
診断がつきにくく、駆除に時間がかかります。
感染猫のウンチに含まれるオーシスト(卵のようなもの)を、ほかの猫が口にするのがおもな感染ルートです。原虫類は猫の体内で増殖していきます。精密な検査が必要で、かつ駆除に時間がかかることもあります。
●どんなときに気づくの?
・軟便、下痢になるとき。
・発育不良、体重の減少(子猫の場合)。
●猫の体のどこに寄生するの?
猫の小腸に寄生するため、軟便・下痢になる猫がいます。健康な成猫は無症状のことも少なくありませんが、子猫は衰弱して死に至るケースもあるので注意が必要です。
●検査・治療方法は?
顕微鏡で確認して、薬を投与します。
便検査などで虫が特定できたら、抗原虫薬を投与して駆除します。同時に下痢の症状があれば、対症療法も行います。

厄介な内部寄生虫(2)フィラリア

●フィラリアってどんな寄生虫?
フィラリアは、猫が感染すると突然死することもある、怖い内部寄生虫です。犬の寄生虫という印象がありますが、実は猫など様々な哺乳類に寄生します。猫に感染した場合、大部分は途中で死滅しますが、まれに成虫になることもあります・フィラリアの成虫の大きさは10cm以上になります。
●どんなところが厄介なの?
感染しても診断がつきにくいからです。犬のように検査が確立されていないため検査が難しく、成虫になると確実な治療が難しいためです。フィラリアは蚊が媒介して、猫に寄生します。犬のように体内で成虫にまで発育しないことが多いのではっきりした症状が出ないこともあり、診断は困難です。まれに成虫まで発育すると、普通に生活していた成猫が突然死してしまうケースもあります。
●猫の体のどこに寄生するの?
フィラリアは猫の体内で成長して、やがて猫の肺や心臓の血管にすみ着きます。そのため肺の病気で引き起こされる症状が出ることがあり、咳や喘息のような症状が見られることもあります。
●検査・治療方法は?
有効な検査も治療法もないのが現状です。犬のように検査が確立されておらず、現在は血液検査・免疫検査で調べるのも難しい状況です。また、成虫になると確実な治療は難しくなります。フィラリアから猫を守るには、定期的に予防剤を投与するのが、唯一の方法です。

猫の寄生虫についてのQ&A

●Q:うちの猫は室内飼いだから大丈夫ですよね?
  A:いいえ、寄生虫は室内にも入ってきます。
例えばノミは、猫同士が接触したときだけ感染するのではなく、飼い主さんが外から室内に持ち込むこともあります。また、室内にいるノミや蚊を介して、猫の体に忍び込む寄生虫もいます。ですから、室内飼いの猫でも油断は禁物です。

●Q:元気にしているのは、寄生虫がいない証拠ですよね?
A:いいえ、寄生虫によっては目立った症状が出ないこともあります。
寄生虫の種類によっては、感染しても症状がほとんど出ないケースもあります。とはいえ放置しておくと、同居猫や人にうつる恐れもあります。元気だからと油断せず、動物病院で適切な検査と予防をすることが大切です。

●Q:フィラリアは犬につく寄生虫だから、猫は関係ないですよね?
A:いいえ、猫の10匹に1匹は、感染した経験があるというデータもあります。
フィラリアは本来、犬の心臓にすみ着く寄生虫ですが、猫にも感染します。最近の調査では、猫の10匹に1匹は感染した証拠がある、という報告もあります。猫の場合、犬と違って気づかれないケースが多いのです。

●Q:寄生虫の病気が重症化することはないですよね?
A:いいえ、大量に寄生されると重症になることもあります。
子猫や高齢猫など免疫力の低い猫に、大量の寄生虫が感染すると重篤な症状を引き起こすケースがあります。また、フィラリアに感染して突然死する猫もいるため、たかが寄生虫と油断するのは禁物です。

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