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愛猫がノミに寄生されていたら?~原因と症状、有効な駆除薬

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愛猫を撫でていたときに、皮膚に黒い砂粒のようなものを見つけたことはありませんか? それはノミが愛猫に寄生しているからかもしれません。完全室内飼いなのに、ノミに寄生されるのはどうしてでしょうか? ノミから人間にうつる病気もありますので、駆除薬を使ってしっかりと駆除したいですね。

1.ノミを駆除する方法~駆除薬の種類

ノミの駆除とノミ取り薬の種類は主に3つ

ノミを駆除する方法で一番効果があるのは、動物病院で処方してもらう薬です。薬は主に3種類あります。

(1)スポットタイプ


猫の後ろ首筋の皮膚に垂らして使用します。薬が猫の口に入る心配がない点も大きなメリットです。費用は1回1,200~1,900円程度で、約1か月間効果が持続します。

(2)経口薬


猫の体に寄生している、ノミを駆除する効果のある飲み薬です。皮膚につけるタイプと違って、毛づくろいやシャンプーなどで薬の効果が弱まってしまう心配がないのがメリット。
費用は1回1,100~1,500円程度(猫の体重によって費用の差あり)で、ノミ駆除効果は約1か月持続しますが、最近では投与してから約3ヵ月効果が持続するものも出ています。費用も違いますのでご確認ください。

(3)注射タイプ


猫の首筋後ろの皮膚から、薬剤を体内に注射するタイプ。基本は予防の目的です。ノミの成虫に対しては効果がないので即効性は期待できないものの、注射をした猫の血を吸ったノミの卵は育たず死滅していく効果があります。費用は1回約6,000円と高額ですが、半年ほどは効果が持続します。
また、スポットタイプがつけられない妊娠中、授乳期、生後2日齢からの子犬、子猫用のスプレー剤もあります。
現在ノミがいない状態で完全な予防なのか、もしくはもうノミが愛猫についてしまっているのかなどにより、獣医師と相談の上選択するのが適切でしょう。

2.駆除薬以外でノミを退治する方法は?

ノミ取りブラシやノミ取り櫛でブラッシングする

もし自分の愛猫を撫でているときや、皮膚をみているときに小さい茶色っぽいものが素早く動くのを見たら、愛猫にノミがついている可能性が高いといえます。
猫の皮膚や毛に黒い砂のようなものがついていたら、それはノミの糞の可能性があります。濡らしたコットン上にそれを置いてすり潰してコットンが赤くなると、ノミが吸血してそれが糞に出ている証拠になります。

ノミの動きはとても素早いので、中々捕まえることができません。もし捕まえることができても潰してしまうと、卵が飛び散ることがありますので、潰さないようにしましょう。捕まえたら、セロハンテープにはさみ獣医師に確認してもらいましょう。

市販薬でノミを駆除する

市販薬は動物用医薬部外品と言われ、生体に対する作用が動物用医薬品よりも緩和なものを指します。市販でも皮膚につけるタイプや、首輪のタイプなどの薬が発売されていますが、市販薬の成分の多くは、殺虫剤などに使用される「ピレスロイド系」の成分が含まれていたり、ハーブなどの自然な成分で殺虫するもの、避ける作用のあるものなど様々です。効果、安全面など様々なので愛猫の生活環境を考えたうえで使う前に獣医師に相談していただくのが良いでしょう。

ノミ取りシャンプーで猫の体を洗う

ノミ取りシャンプーにもピレスロイド系の駆除剤が使われていることが多いですが、ノミを殺すことができる濃度ではないため、シャンプー後一時的に仮死状態になるだけで効果は薄いかもしれません。また、ノミ取りシャンプーは猫の皮膚を荒らすことも多いので、気を付けて使用しましょう。

可能であればお湯に浸からせる方法も


もし、お湯に浸かるのを猫が嫌がらなければ、人間と同じように入浴させるのもおすすめです。猫の身体がお湯に浸かることで、寄生していたノミや卵を浮き上がらせることができます。ですが、ほとんどの猫が水やお湯に身体を浸けることは嫌がるため、無理強いだけは避けてください。

3. ノミに刺されたときの症状と、愛猫や人間にうつる病気とは?

ノミに刺されたときの症状とは?

被毛に黒い砂粒のようなノミの糞がついていたり、痒がっていたりしていることで、飼い主は愛猫がノミに刺されたと気づくでしょう。

痒がり方は、後ろ足で頻繁に体を掻いたり、毛繕いをしたり、頻繁に舐めたり、あるいは体をかじるような仕草を見ることもあります。寄生しているノミの数が少ないと痒がり方が軽いかというと、そうでもありません。ノミの寄生に対する愛猫の耐性は、猫ごとに大きく異なります。それはアレルギー体質か、そうではないかということに左右されます。何百匹もの寄生に耐え、軽度の痒みを示すだけの愛猫もいれば、一方で、わずかなノミの寄生でアレルギー性皮膚炎(FAD)を呈する愛猫もいます。

このアレルギー性皮膚炎の愛猫の症状は、掻き傷を伴うほどの激しい掻痒や、舐め続けて傷を作ったり、脱毛(特に腰や尾の付け根部分)を起こしたり、慢性化すると、粟粒性皮膚炎といって背中や首の周りに多数の丘疹やかさぶたを伴い、まるで砂に覆われているような状態になることもありますし、皮膚が厚くなったり、色素沈着も引き起こします。また、ノミの唾液中のアレルゲンも、さまざまな臨床症状を伴う好酸球性皮膚炎といわれる病気を引き起こします。好酸球性皮膚炎の症状には、肉芽腫や皮膚の潰瘍、貧血などを起こすこともあります。

ノミが媒介して愛猫や人間にうつる病気 「瓜実条虫症」

ノミが媒介して猫に条虫を寄生させることがあります。これが「瓜実条虫症」です。ノミの幼虫が瓜実条虫の虫卵を摂取し、ノミの体内で猫に感染できる状態まで成長します。ノミが寄生した愛猫は、毛づくろいをしたときにノミを食べてしまい、そのノミとともに愛猫の体内に入った瓜実条虫が小腸に寄生します。瓜実条虫の成虫は小さな頭の部分(頭節)と体の部分(片節)からなっており、その片節が切れて肛門周囲、糞便につきます。実際は米粒くらいの大きさで、白く動いていたり、乾燥して米粒のようだったりしますが、飼い主さんが発見することで感染していることに気付きます。

この瓜実条虫は偶然ノミを摂取してしまった時に、まれにヒト(おもに子供)の小腸にも寄生するため、感染を防ぐためにも、ノミの効果的な予防と駆除が必要です。

ノミが媒介して愛猫や人間にうつる病気「猫ひっかき病」

猫が人を引っかいたり噛んだりしたときに感染することもある、「猫ひっかき病の病原体(Bartonella henselae)」。この菌は猫に対して病原性はありませんので、感染した猫にも全く症状はありませんが、18か月以上も感染が続くとされています。

猫から猫への菌の伝播にはノミが関与しており、ノミが感染した猫の血を吸うことにより、ノミの体内に菌が入り、やがてノミの体内で増殖した菌は、ノミの糞便中に排泄されます。その菌を猫が身づくろいする時に歯に付着させたり、爪に付着させたりして、猫からヒト、あるいは猫間で傷ついた皮膚を介して(深い傷じゃなくても)創傷感染するものとされています。ヒトには、発熱、倦怠感、リンパ節炎などをおこしますので、感染を防ぐためにもノミの効果的な予防と駆除は必要です。

その他にもノミが媒介してヒトにうつる病気はありますので、愛猫とヒトが健康的に共存するためにも、ノミの予防と駆除は重要でしょう。

4.ノミが寄生する場所と、ノミの生息期間

※写真はアプリ「まいちにのねこのきもち」に投稿いただいたものです。

ノミが猫に寄生する場所とは?

単純に考えると、ノミがいる場所を愛猫が通った時に、ノミが愛猫に飛び移って寄生します。ノミ自体は、どこにいて、どういった生活をしているのでしょうか? ノミの生態を知ることで、予防、治療などに役立ちますので、ノミについて少し学びましょう。

ノミには、ヒトノミ、ネコノミ、イヌノミなど、吸血する宿主によって種類が分かれていますが、およそ2,500種類存在していると言われています。ネコノミは、雄で1.5~2.5㎜、雌で3~4㎜と小さく、オレンジ~暗褐色の体色です。

ノミは特に直射日光が当たらない縁の下や、草むらなどに多く生息していますので、野良猫や外に遊びに行ったりする猫に寄生しているのはそのためです。さらに野良猫が通る道にも、猫から落ちたノミの卵などが孵ることによって、ノミが増えます。また、外だけでなく、気温が13度以上になると卵から孵化しますので、室内でも生息は可能です。むしろ、いつも暖かい室内はノミにとっては格好の場所といえます。

ノミの生息期間と、増殖スピードとは?

完全変態(成長過程で”サナギ”の期間を持つ昆虫のこと)のノミは、快適な室内で寄生と産卵を繰り返しています。そのサイクルは、卵→幼虫→サナギ→成虫の4段階です。ノミの成虫は、猫に寄生して30分~1時間で最初の吸血を行い(8分以内という見解もあります)、雌ノミは宿主に寄生後36時間で産卵を始め、平均で1日20~30個、最大で50個産卵します。

成虫は同じ動物に永久寄生すると考えられていますが、宿主から落下した場合、外部環境でも3~5日間なら生存可能です。またその後、別の宿主に寄生するノミもいますが、ごく一部であると言われています。卵は宿主に固着されていないため、猫が動き回ると地面に落下しますが、最適な温度と湿度の場合、卵は3~7日かけて地面で孵化します。

幼虫の体長は2~3㎜で、猫に寄生しないで、暗くて湿度の高い場所(ソファーの下・カーペットの中・動物の寝床の中など)を好み、愛猫の皮膚片や成虫の排泄物を食べて、1週間から1か月後にサナギになります。このサナギは粘着性があり、たくさんのゴミを付着させて保護されています。そのサナギの中で10日後には羽化前の成虫になります。

愛猫がサナギの周囲にいる場合、急速にサナギから羽化してノミの成虫となりますが、周囲に猫がいない場合は、そのままの状態で6か月~12か月生存します。サナギは靴や靴下、ズボンなどに付着し、動物や人を介して次から次へと移動します。このように、一般的にノミが活発な時期にノミが生息する場所を通ることによりノミが猫に寄生し、家の中に持ち込み、同居しているほかの動物に感染させてしまいます。

ノミが愛猫に寄生する4つの条件

ノミが愛猫に寄生する4つの条件は、以下の通りです。
(1)ノミは、外に行く猫の通り道にたくさんいるので、外に行く猫にはほぼついてしまうと考える。
(2)ヒトの服などにサナギがついて、ヒトが家に持ち込むこともある。
(3)1回でもノミがついて家に持ち込んだら、どんどん繁殖してしまう。
(4)ノミは冬でも、13度以上の暖かい室内では生息可能。

この点を踏まえて予防、駆除をしましょう。

5.ノミを予防するには?

まずは、ノミが生息していそうな暗い縁の下や草むらなどには、猫を近づかせないのが肝心です。ただ、人間にノミがついて家の中に持ち込むこともありますので、外に出ない愛猫にもノミがつく可能性は否定できません。普段から愛猫の毛をブラッシングしてあげたり、撫でている時に注意深くノミやノミの糞がないか見てあげるのも重要です。

ノミは寄生後36時間で繁殖しますので、その前に即効性(24時間以内に成虫を駆除可能)と残効性(1か月程度効果が持続する)を有する駆除薬を投薬することにより、完全にノミの生活サイクルを遮断することが必要です。ノミの卵や幼虫に作用する薬もあるので併用をおすすめします。そのために、ノミの予防・駆除薬は、決まった間隔でしてあげると良いでしょう。
やはり愛猫への予防・駆除薬投与が一番効果があるといえます。

『ねこのきもち』では、愛猫のための健康、医療情報から家庭でできるケアの方法を掲載しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/紺道ゆあん

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