愛猫の健康を守るためには、飼い主さんがふだんの猫の行動などの小さな変化に気付くことが大事。今回は猫がトイレに頻繁に行くようになったとき、どのような病気が考えられるかを、そのときの猫の様子ごとにご紹介します。
一回のオシッコの量が少なく、血が混じっている場合は…
膀胱炎や膀胱結石の恐れがあります。
細菌感染により膀胱に炎症が起きたり、結晶や結石ができてオシッコが出にくくなったり、ときにはオシッコに血が混じることも。
結石は食事や体質的なものも要因に。メスはオスよりも尿道が太く短いため、細菌が入りやすい傾向があります。
一回のオシッコの量が極端に少ない、またはまったく出ない場合は
尿道閉塞の恐れがあります。
尿道に結石が詰まってしまった状態。膀胱の結石が細い尿道に流れ込み通過できずに尿道を塞いでしまうため、オシッコが出にくくなることが。治療法は尿道内に引っかかった結石を洗い出すか膀胱まで押し戻します。
真っ黄色のオシッコの場合は
黄疸の恐れがあります。
黄疸とは胆汁に含まれるビリルビンという色素によって、皮膚や粘膜、血液が黄色に変色してくる症状。それらがオシッコとして排泄されるため、真っ黄色に。肝臓や胆嚢の病気、中毒、急性膵臓炎、免疫異常などが原因となります。
一回のオシッコの量が多く、色がうすい場合は
腎不全の恐れがあります。
腎臓が正常に機能していないと、腎臓に血が流れにくく、腎臓が硬くなり縮小していきます。そのため、体に必要のないものをろ過しにくくなり、老廃物を含まない色の薄いオシッコが大量に出ます。腎不全の治療は食事療法でタンパク質やミネラル分の摂取量を調節したり、投薬、輸液などを行ったりします。
猫のオシッコからわかる異変は多くあります。トイレに行く回数や、オシッコの量などのちょっとした違和感も見逃さないようにして病気の早期発見につなげられるようにできるといいですね。
参考/「ねこのきもち」2017年8月号『○○がある・ないのサインでわかる猫の病気』(監修:ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生)
文/浪坂一
イラスト/Studio CUBE.
※この記事で使用している画像は2017年8月号『○○がある・ないのサインでわかる猫の病気』に掲載されているものです。