「痛い」や「つらい」などを言葉で伝えられない猫の不調に気づくのは、とても難しいものです。そんな中、異変が現れやすく病気の早期発見につながるおしっこは「健康のバロメーター」といえるでしょう。
ここでは、そんな猫のおしっこの見極め方を解説しますので、愛猫の体の状態を知るのに役立ててくださいね。
健康なおしっこは何色?
そもそも猫の健康なおしっこは何色なのでしょうか。
その答えは「澄んだ黄色」で、具体的にはジャスミンティーのような色です。ただし、水をたくさん飲んだ後や寝起きなど、状況によっては色の濃さが変化することもあります。
病気が疑われるおしっこの色
オレンジ
カボチャの煮汁を思い出させるような濁ったオレンジ色のおしっこは、肝臓病などの疑いがあります。
透明に近い黄色
かなりおしっこが薄まった状態の色です。糖尿病や慢性腎不全の症状である多飲多尿の疑いが。
キラキラした黄色
濁った黄色やキラキラとして見えるおしっこは、結石(結晶)が原因です。そのため、尿石症にかかっている可能性があります。
赤色
おしっこに血が混じると、赤色やピンク色のおしっこが出ます。この場合、膀胱炎や尿石症の心配が。血尿の原因となる病気については、下記でさらに詳しく解説していきます。
血尿が出たら……疑われる2つの病気
普段のおしっことの色の違いがかわりやすい赤色のおしっこ。つまり血尿が出た場合は、以下の病気が疑われます。
尿石症
腎臓や尿管、膀胱、尿道などに結石ができ、排尿障害を起こす病気です。療養食で結石を溶かしたり、手術で取り除いたりして治療を行います。おしっこの色で判明する以外にも、排尿中に痛みを感じトイレにうずくまる猫の様子から判明するケースも。ほかにも、おしっこの量が極端に減った場合もこの病気が疑われるので、動物病院を受診しましょう。
膀胱炎
その名の通り、おしっこをためる”膀胱”に”炎”症が起こる病気です。尿量が減り、残尿感からトイレを出たり入ったりしている場合も、膀胱炎を疑いましょう。
猫の膀胱炎の原因はストレスが関係するといわれています。しかし、その一方で、原因不明の「突発性膀胱炎」を発症する猫も多いようです。抗生剤や消炎剤を投与したり、療養食を与えたりして治療を行いますが、猫によっては膀胱炎を繰り返すこともあります。
愛猫のおしっこを観察しよう!
猫は言葉を話せませんが、おしっこを見れば体の不調にいち早く気づけるかもしれません。普段と違うおしっこが見られたら、早めに動物病院を受診し、猫の健康を守ってあげてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2017年5月号『健康のバロメーター 大切なことは オシッコが教えてくれる ふろくの使い方も』(監修:聖母坂どうぶつ病院獣医師 鵜飼佳実先生)
文/しばたまみ
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。